第4話 「拓兄...起きて」
「ふふふ~ん。今日は楽しかったなぁ~」
私の名前は秋山美優。
今日転校初日を迎えた女子高生です。
そんな私は今、上機嫌でベットの上で足をパタパタしています。
なんでこんなに上機嫌かと言うと、なんと!なんとですよ!
十年前に結婚の約束をした幼なじみの佐藤拓海くんがいたんだよね!
まああっちはそんなこと覚えてなさそうなんだけどね……。
「でも、やっぱり十年前と雰囲気は変わってなかったなー。すぐに気づいちゃったよ」
私は机の上にある十年前、公園で佐藤くんと撮った思い出の写真を自分の目の前に持ってくる。
二人が並びながら笑顔でピースをしている写真だ。
佐藤くんは今とは全然変わっていない。
だいぶ性格はねじれちゃったけどね。はは……。
「まあとにかく明日も楽しみだよなぁ~」
そう言いながら私は眠い目を擦り枕に顔を埋めたのであった。
「拓兄学校このままだと遅刻……」
そして次の日の朝俺の部屋に普段だと絶対に聞こえるはずがない女子の声が聞こえた。
「ん……眠いんだけど……」
俺は眠い目を擦りながら上半身を起こす。
昨日はどこぞの幼なじみに絡まれたせいで全然寝た気がしない。
ん?それよりお前の部屋じゃ聞こえるはずがない女子について説明しろって?
しゃあないな……眠いんだけど。
こいつの名前は佐藤咲。
中学二年の十三歳。
髪は白くてめちゃくちゃ小柄。
口調は穏やかだけど怒るとマジで怖い(本人は否定)
そして俺の唯一の連絡先にいる女の子ということになる。
「ダメ。拓兄今日学校。友達いないからってサボりはダメ……」
「咲……お前まで俺の敵なのか」
友達はいない。妹にもこんなことを言われるって俺には生きる権利は無いのだろうか……。
「そんなことは無い。拓兄が友達いないのは事実。実際に女の子は愚か男の子も家に連れてきたことない」
なんか俺の事貶してる時だけ普段あんまりない目のハイライトがキラキラしてると感じるのは俺の気の所為だろうか。
「……朝から泣きそうなんだけど!どうしてくれるんだよこれ!」
「知らない……いいから準備して。遅刻する」
「咲は今日学校じゃないのか?」
「咲は今日開校記念日。だから学校は無い」
咲は全くと言っていいほどない胸を張った。なんかイラッとくるな……。
しかしなんて羨ましいんだ。
刑務所に行かなくていいのか……。
「ずる……」
「拓兄今日は学校頑張ってね」
咲は俺の頭をポンポンと叩きながらグーサインをしている。
煽っているとしか考えられないがまあいい。
俺はとりあえず下半身にかかっている布団をどかしてベットを出た。
俺の部屋はとても普通の作りになっている。
机の上には十年前に公園で撮った写真がぽつんと置いてあるだけだ。
俺はその写真を遠目から見て改めて思った。
——どんな確率だよ——
朝ごはんを食べ終わり顔を洗い刑務所(学校)に行く準備して俺は我に返り朝あいつが来ることを察して急いでドアに手をかけようとした。
あくまで手をかけようとしたである。
俺が手をかけようとした瞬間に俺の家のインターホンが鳴った。
「インターホンが鳴った……」
俺の見送りをしてくれようとしていた咲がインターホンに気づいて足早に応答のボタンがあるリビングに行こうとしたのを、
「ちょっとまて!咲」
俺は引き止めた。
「どうしたの?拓兄?」
咲はキョトンとした様子でこちらに首だけを向けた。
「そのインターホンはな……実はヤクザが押しかけてきているんだ」
この言葉を聞いてガビーンという効果音が聞こえそうな表情をした後震えるような声で
「拓兄守って……」
「無茶言うな」
そんな嘘を言っている間にドアを叩きながら奴の声が響いた。
「佐藤くーん。おはよぉ。一緒に学校いこーよ!」
ドアを叩きながら奴のモーニングコールを聞いて俺は全てを諦めた。
そしてこの朝……俺は秋山さんと学校に行く羽目になった。
こんにちは三上蒼太です。
めっちゃ久しぶりに帰ってきました。
この作品まだ覚えてる人いるのかな笑笑
3ヶ月ぶりに書いたので拙いと思いますがここまで読んでくれてありがとうございます!
感想待ってます。レビューまでしてくれると作者のやる気にめっちゃ繋がります!よろしくお願いします!
では……
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