第3話「佐藤くん!一緒に帰ろうよ!」
いつも通りの退屈な授業が終わり、今俺は帰りの準備をしていた。
ふっ、こうなったら俺の勝ちだとっとと家帰って寝よ……今日は本当に疲れた。
普段話さない人間という種族と話したからな。
疲れが溜まって当然だ。
「……やっと帰れる」
そういうや否や俺はすぐに席を立ち上がり、手提げカバンを肩にかけてクラスを後にした。
校門を出て三分後携帯をいじりながら下校をしているという素晴らしい時間に俺の後ろから妙な足音が聞こえた。
「まさか……」
俺は足音が聞こえた瞬間に首を後ろに回した。
案の定、後ろ5m圏内に10年前に結婚の約束をした可能性がある秋山美優が走ってきていた。
「ちょっとー。佐藤くん帰るの早すぎるよォ~」
……無理。
後ろから走ってきている秋山さんを見た瞬間、俺の脳にある命令が走った。
——走って逃げろ——と……。
「無理無理無理無理。本当に無理おい!神ぃ!」
「ちょ、ちょっと!お昼ご飯に続いてこれ~。待ってよ!」
俺が走って逃げ出すと秋山さんはスピードをあげて追いかけてきた。
本当に勘弁してくれ!
俺は一人で平和に過ごしたいだけなんだよ!なんでそんな当たり前のことも叶わないんだよ!
それから間もなくして……
「……ゼッ、ゼッ」
「ハッ、ハッ」
捕まった。
「……さ、佐藤くんなんで……逃げるの?」
秋山さんは息を切らせながら言った。
「……秋山さんこそなんで俺に構うんだよ……」
本当になんで秋山さんは俺に構ってくるんだよ……。
本当に人と話すと疲れから!まじで。
「ん~友達?だから?」
なんで疑問形なんだよ。
別にいいけどさ。
「そう思ってるのは自分だけだって考えたことあるか?」
「ない!」
こいつ言い切りやがった。
やっぱよくわからね。
「とにかく俺は帰りたいんだ。帰らせてくれ」
「だから一緒に帰ろっていうことだよ!別に帰ることには変わりないじゃん」
「1人で帰りたいって言ったら?」
「泣く」
「はぁ~」
俺は頭をポリポリと掻きながらこう言った。
「わかったよ。ただし1回だけだぞ」
「それお昼ご飯の時も言ってなかったっけ?」
「……帰るぞ」
そうこれは1度だげ。
「そういえば佐藤くんはさ、LINEってやってる?」
「LINEだと?」
「うん。LINE」
この女マジで言ってるのか?
この俺にLINEをする相手がいると思ってるのなら頭がおかしいぞ。
「俺にLINEをする相手がいると思うか?」
「……今日の感じだと多分いないと思う」
転校初日でこいつぼっちだと気づかれるってなかなかだぞ俺。
「余計なお世話だ」
「でもご両親とかのLINEはあるでしょ。LINE交換しようよ!」
「まぁ、それぐらいなら」
「やったー」
そう言うと秋山さんは携帯を取り出す。
俺もLINEを開いて友達追加の欄を差し出した。
「うわっ、本当にご両親しか追加してないんだ」
俺の携帯画面には3人の友達と書かれている。
みんなもそんなもんだよな!
「何言ってるんだここに咲って書いてあるだろ」
「え?ほんとだ。それ女子?」
「まあな」
俺はドヤ顔で答える。
だって今回はまじだもん!
「それってよく考えたら……妹さん……じゃないよね?」
こ、こいつ勘がいい。
「………」
「妹さんなんだね」
そう問いつめられて俺はコクリと頷く。
「そんなことはいいから早く交換して帰るぞ」
「はいはい」
そして10分後……
俺は何とかして家の目の前までたどり着いた。
それより……それよりな。
「なんでお前までうちまで着いてきたんだ?」
「私の家佐藤くんの家の隣だよ」
「……は?」
「いや、だから、佐藤くんの家の隣だよ」
「よし。ちょっと待ってくれ」
そう言って俺はポケットから携帯を取りだし父親に電話をかけた。
「あ、もしもし。親父。ちょっとした諸事情があるから引っ越さない?」
「ちょ、さすがに酷いよ!」
「ん?何言ってるんだ?ちょっと今仕事忙しいからまたかけ直す」
「.........」
「ど、どうだった?」
「切られた」
「佐藤くんってお父さんにも見捨てられてるの?」
「それ思っても言わない約束だろ」
ということでこの転校生の秋山美優さんは俺の家の隣らしいです。
こんにちは三上蒼太です。
急いで書いたので正直出来はどうなのか分かりません。
感想ください!
よろしくお願いします!
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