第2話 「お願いです神様せめて昼ごはんぐらいは一人で平和に食べさせてください」

 前回のあらすじ。

 10年前結婚の約束をした秋山美優?さんと再開?をしました。以上。

 

  

 今から10年前の会話だが俺には結婚しようと約束した少女がいた。

 だが所詮は小学一年生程度の口約束年齢が小さい頃は本当にそんなると信じていたが年齢が上がると共に有り得ないとどこかで気づく。

 当然だ小中高の恋愛なんてゴールにあるのは破局の一択しかないのだから……。

 

「えー隣と話し合ってここ問題なんでこうなるかを説明してください」

 

 今は数学の授業中。

 でたでたよくある隣と話し合って説明しろってやつ。

 3日前の俺だったら隣は居ないで一人で寝ていれば勝手に時間が過ぎていく素晴らしい授業だったのに今日は……いや今日からはその素晴らしい時間が壊されていた。

 なぜなら……

 

「えっと……すいません。一応先生が話し合ってみてって言ってるので話し合いを……」

 

「……」

 

 俺は机に突っ伏していた頭を上げて彼女の目を見た。

 

 彼女の名前は秋山美優。

 10年前、結婚しようと約束した少女説が出ている転校生。

 

「……ここは背理法使って√3を証明するだけ。指されたらこれカンペだからこのまま言ってくれれば正解だから指されたらよろしく」

 

 そう言って俺は秋山さんにカンペを渡す。

 

「す、すごい。頭いいんですね!えっと……えっと、そこのお方!」

 

 そこのお方って……。

 名前覚えられてないのかよ……まあ俺もこのクラスの奴らの名前なんてそんなに覚えてないけど。

 

「佐藤……佐藤拓海。今更だけどよろしく」

 

「さ、佐藤……拓海さん?」

 

 俺が名前を教えると彼女は少し動揺したような表情を見せた。

 

「そ、まあこれからこういう機会でしか話さないと思うけどよろしく」

 

 そう。俺は普通に考えて女子と喋ってもいいことがないと考えている。

 というか女子は天敵に近い。

 こんなことを思い始めたのは忘れもしない三年前……

 中学三年生のときだクラスのある女子から放課後校舎裏に呼び出されて集合の15分前から待機していた。

 もうここに来たら告白の一択しかないだろう。

 そして……

 

「わ、私と付き合ってください」

 

「こ、こんな俺でよければ」

 

 即答だった。

 だって家庭科のお菓子もくれたし。メールも何回かとった。

 そんな相手から告白されたらOKするに決まってるじゃん。

 だが、嬉しかったのは一瞬。

 

「なんちゃって……」

 

 そう小さな声で相手はつぶやくと後ろの柱からぞろぞろと3人の女子が出てきた。

 

「ちょっとぉ~。何OKしてんのぉ~。キモすぎ。いきがんなよ陰キャ」

 

 中学時代の陽キャグループ代表みたいな女子がまずは俺に先制攻撃を決めてきた。

 この時俺は初めて女子を心の底から殴りたいと思った。

 その後も女子から罵声を浴び続けた。

 その夜俺は一人で枕を濡らした日々に戻るのは絶対に無理だ。

 だったら女子だけと言わず男子とも関わらなければいい。

 

「はい。これにて授業を終わる」

 

 3年前の悲劇を思い出しているといつの間にか4限目が終わっていた。

 今頃だがあの時の女子たちぶっ飛ばしたいな。

 

「さてと……行くか」

 

 4限目が終わるや否や俺はおもむろに立ち上がり教室を出た。

 そう昼ごはんの時間である。

 この時間に陽キャ達はみんなでバカみたいに集まって食べているが俺は違う陰キャぼっちは陰キャぼっちなりに自分の定位置というものがある。

 そして覚えておけ陽キャ諸君。

 お前らが楽しく食べている裏では何千何百との陰キャぼっちが校舎裏や屋上で一人で食べていることを。

 

 さてと、こので俺の定位置、言わばレギュラーポジションの紹介をしよう。

 俺の定位置はいつも学校の中庭周りには葉っぱが付いた木が並び、いい感じに日陰を演出してくれている。

 木が囲んでいる敷地にはバスケットコートがあり少し時間が経つとバスケをしに何人かがここを訪れる。

 そこそこ風も吹くし何より人に気を使わなくていい。

 ぼっち飯最高。

 

「あ、いたいた、拓ちゃ……佐藤くーん」

 

 ん?この俺の敷地にこの時間に足を踏み入れる者など過去にいた事が……

 声の方に首を回すと弁当とノートを持った秋山美優が走ってきていた。

 

「げっ!」

 

 それを見ると俺は立ち上がり反対側にあるベンチを目指して歩き出した。

 

「ちょ、ちょっと!なんで逃げるの!?」

 

 それを見て秋山美優も追いかけてくる。

 本当にまじ無理!

 俺は一人で昼ごはんを食べたいんだっつーの!

 

 そして何周かぐるぐるした後に俺は息を切らして最終的に最初の位置にたどり着いた。

 

「ぜっ、ぜっ……俺ってこんなに体力なかったっけ……」

 

「な、なんで逃げるの……」

 

 秋山さんも俺と同じぐらいの息の切れ方をしている。

 

「一人で昼ごはんを食べたいだけだ」

 

「え?佐藤くん。ぼっち飯?」

 

「悪いか?」

 

「いや……悪くない。悪くないよ」

 

 プクくと笑っている秋山さん。

 

「……ほっとけよ」

 

 やばいだんだんとムカついてきた。

 

「それよりなんでここ来たんだ?」

 

「そんなの佐藤くんとお昼ご飯食べようかなーって。あわよくば数学教えてもらおうと……ね!」

 

「……無理」

 

「え?なんで!?」

 

「休み時間は休むためにあるものだ。人に勉強を教える時間ではない」

 

「いいじゃん!拓ちゃ……佐藤くん頭いいんだし!」

 

 ん?何か言いかけたけど……まあ俺の聞き間違いだよな。

 

「俺より頭いいやつは星の数ほどいるから他のやつに教わればいいと思います。沢山いるじゃん。アインシュタインとか……」

 

「それもうとっくに死んじゃてるよ!」

 

 ちっ……このままでは埒が明かない。

 一人で昼ごはんを食べたいだけなのになんでそれすら叶わない。

 本当に泣くぞ。

 

「……わかった。ただし1度だけだからな。めんどくさいから」

 

「最後の一言が余計なんだよ!佐藤くんは!」

 

 お願いです神様。

 これからはせめて昼ごはんぐらいは一人で平和に食べさせてください(泣)

 

 

 

 こんにちは三上蒼太です。

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