10年前結婚しようと約束した美少女が転校してきました。

三上 蒼太

第1話「は?美優が転校してきた?一体どんな確率だよ!?」

    

      

      

「ねぇ、拓ちゃん!拓ちゃん!」

 

「なぁに?美優ちゃん?」

 

「私ね!大きくなったら拓ちゃんと結婚する!

 ダメ……かな?」

 

 俺の目の前の少女は上目遣いで尋ねてくる。

 

「いいに決まってるじゃん!大きくなったら結婚しようね!美優ちゃん!」

 

 これは今からだいたい10年前の会話。

 いや、正確には今日で10年か……10年前の6月17日。

 これが彼女との最後の会話になるとも知らずに……。

 

 

 

 さっきの表現は違ったな、最後の会話になるとも知らずにとは決して俺と話していた少女が亡くなってしまったのでは無くこの言葉を残してから1週間で引っ越してしまったのだ。

 

「ん……んぁ……朝か……二度と来るな朝なんて」

 

 俺の名前は佐藤拓海。

 どこにでもいるぼっち高校生。

 平凡な見た目、平均的な頭脳に運動神経。だが普通に友達はいない。なんとも悲しい現実だ。

 そして今日は学生の時誰でも経験するであろう憂鬱感がMAXになる月曜日というイベントである。

 

「……起きるしかないか」

 

 そう。我々学生には学校を休むという自由がない。

 これは人権侵害では無いだろうか……と俺は考える。

 自分の部屋を出て階段を降りる。

 朝飯は……学校で食べればいいか……。

 俺には友達がいない。

 これがどういうことかわかるか?一人の時間が必然的に増え、朝のホームルームが始まる前にパンやおにぎりを食べる時間があるのだ。

 これはぼっちの特権。

 いや、ぼっちはある意味リア充では無いだろか。

 

 と、そんなことを考えながら俺は学校の制服……ではなく、囚人服に着替えるのであった。

 

 

「今日の帰りここデートしない?」

 

「あ、めっちゃそこ気になってたんだ~」

 

 学校の制服に着替え、俺は家を出て約五分後俺の目の前にリア充というモンスターが立ち塞がっていた。

 本当ならばこの手を繋いでいるリア充の間を通り一刀両断してやりたいとこだがやはり現実はそうはいかない。

 かと言って追い越すのも気まずい。

 おい!リア充ども聞いてるか。

 これがお前の後ろを歩く一人登校している人間の心境だ。

 覚えておけよ。

 

 結局俺はこいつらの後ろから負のオーラを出しまくって気づかせ少し逸れた隙を見逃さず華麗にそして素早く通り抜けて登校したのであった。

 

「ねね!このパフェめっちゃ可愛くない?」

 

「それ!最近イン⚪タでバズってるよね!」

 

「今日みんなで行こうよ!ほら芽衣と裕也たち今日暇でしょ?」

 

「あぁ今日はたまたま部活がないから行ってもいいよ」

 

「私も暇だ~。行かせてもらいますよ!」

 

 俺のグループだと思ったか?

 ふっ、クラスのぼっちを舐めるなよこんな陽キャグループに俺がいるわけないだろ?

 俺がいるのはこいつらから4列開けた列の一番後ろ端の席に座りながらパン食べている。

 ちなみにこの陽キャグループの編成は男4女4といった一般的なグループだ。

 誰一人として喋ったことないけどな。

 特にあのグループのリーダー沖田裕也。

 金髪に無駄に高身長。

 無駄にイケメンな顔に無駄に性格がいい。

 そして無駄に友達が多い。

 俺が一番苦手な人種だ。

 別に羨ましい訳じゃないからな!

 

 そして俺は朝飯を食べ終わり携帯に目を向けたのであった。

 それから二十分後……朝のホームルームの開始を知らせるチャイムが鳴った。

 

「は?もう?」

 

 授業の二十分は永遠にも感じられるのに休み時間の二十分は三十秒に感じるのは何故だろうか。

 まぁそんなことはどうでもいい。今日もまためんどくさい一日の始まりだ。

 

「みんなおはよう」

 

 そう言いながら男の教師が入ってくる。

 

「「おはようございまーす」」

 

 それにみんなが答える。

 あ、当然俺は言ってないからな。

 

「今日はホームルームの前に転校生を紹介するぞー」

 

 そう言うと教室は少しざわつき出す。

 まぁ、俺は関わらないからそんなに舞い上がらないけどな。

 

「入ってくれー」

 

「はい」

 

 みんなの視線が入ってくるドアに向けられる。

 ガラガラと音を立てて入ってきたのはまぁ可愛い黒髪ショートの美少女だった。

 この瞬間男子は静かにガッツポーズを見せ、女子は「カワイイー」と口を揃えて言った。

 はい。この時点でこの人は陽キャグループ確定が決まりました。

 しょうがない所詮は高校生のグループなんて運動能力と顔が基準となっているのだから。

 

「じゃあ自己紹介を」

 

「はい」

 

 この美少女は少し深呼吸をして口を開いた。

 

「転校生の秋山美優です。分からないことが多いので教えてくれると嬉しいですよろしくお願いします」

 

 そうして秋山さんはぺこりとクラスメイトになるであろう人に一礼をした。


 

「秋山美優さんね……!?秋山美優?美優……美優って」

 

 ちょっと待って美優ってまさか……じゅ、10年前の会話の少女だよな……。

 は?おい?どういうこと確率だよ。

 いや……待て落ち着け佐藤拓海。この俺が取り乱すとはキャラ崩壊もいいとこだ。

 落ち着くんだ。

 

「じゃあ少し質問タイムを取る。何か質問あるやついるかー」

 

「ハイハイ」

 

 手を挙げたのは陽キャグループの女子リーダー菅原美紀。

 

「美優ちゃんって好きな人いるんですかー?」

 

「え?」

 

「それめっちゃ気になる!聞かせてよー」

 

 なんだこいつら秋山さん困ってるだろ……

 

「えっと、10年前によく公園で遊んでいた人がいたのですが……その人が今でも好きです」

 

「何それめっちゃカワイイじゃん!」

 

 本当になにそれである。

 まじで転校生が美優ちゃんだったら一体どんな確率だよ!?

 

 

 

 

 こんにちは三上蒼太です。

 なんにも考えないで書いてたらなんか1話書き終わりました。

 どうだったでしょうか?

 ここまで読んでくれたから感想をまじでください。

「面白かった」「つまらなかった」だけでもいいのでよろしくお願いします!

 

 2話は……ブックマーク★30ぐらい行ったら書こうかなぐらいに思ってます。

 

 では会えたら2話で会いましょう!

 

 眠いんで寝ます!

 おやすみなさい!

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