ホームシックガール 第7話

「ごめん、待たせたね!じゃあ、行こっか。」

にこりと笑って手を差し出す松宮くん。照れながら恐る恐る出した私の手を松宮くんがぎゅっと握る。


「松宮くん、聞きたいことがあって…」

「ねぇ朋ちゃん、俺のこと、一樹って呼んで。かーずーき。」

「か、一樹くん?」

「なーに、朋ちゃん?」

何も言えずに頬を赤らめていると、前から女性の声が聞こえた。

「かずくんじゃーん!久しぶりだね!!」

高いピンヒールに黒いロングドレス。モデルのような綺麗な顔と綺麗なスタイル。彼女が来た瞬間に松宮くんの緊張が伝わってきた。

「真美ちゃん…!?日本に帰ってきてたの!?」

「久しぶり、かずくん。そちらは彼女さん…かな?」

軽く会釈すると、にこりと笑って松宮くんに言った。

「実はね、取引先の会社主催のパーティで日本に帰ってたの。」

「そうなんだ。」

「かずくん、彼女さんできたんだ。可愛い子だね。」

「初めまして、成城朋華です。」

「初めまして、朋華ちゃん。歩瀬真美です。3年前に一樹くんの家庭教師をしていてね。一樹くんが高校生になってからは、海外で会社を経営しています。よろしくね。」

また軽く会釈をする。

「真美ちゃん、婚約者はどうしたの?今月結婚するんじゃなかったっけ?」

松宮くんからの質問に、真美さんが分かりやすく動揺する。

「ここで話すのも何だから、あそこのカフェに入ろうか。」

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