ホームシックガール 第6話

「朋ちゃん、俺から言えなくてごめん。」

「え、どういうことですか…?」

「俺も好きです。よろしくお願いします」


「ねぇ綾ちゃん、私彼氏できたよ!」

” よかったね、朋!相手は誰なの?? ”

「桜葉高校の松宮先輩!」

”・・・”

突然の無言。電話からでも、綾ちゃんの困惑が伝わってきた。

” ねぇ朋、松宮くんの噂、聞いたことない? ”


「それでね、結局綾ちゃん何も教えてくれなくて…」

「んー、噂って何だろう。僕は聞いたことないな。」

「勇人でも知らないんだ、何だったんだろう」

無言が続いた後、私はあることを思い出した。

「そう言えば、あの時先輩を呼び出したの勇人でしょ!」

待っていました、と言わんばかりに隼人がニヤリと笑う。

「そ、可愛い字で手紙書いて出したの僕。」

全く、どこまでも自由なやつ。

「もう、何で勝手にそんなことすんのよ〜」

「でも、朋ちゃんが松宮くんと付き合えたのは僕のおかげでしょ?」

否定できないのが悔しい。

「んで、明日デートでもすんの?」

「えっ、何でわかるの?!」

「何年幼馴染みやってると思ってんの?髪いい匂いする。トリートメントした?可愛い。」

さすがモテ男子。そういう細かいところに気づく。

「また可愛いとか言う。もうそれ勇人の口癖じゃない?勇人みたいな男子に可愛いなんて言われたら、みんな勘違いしちゃうよ?」

「いや、誰にでも言うわけじゃないよ、本当に可愛いと思ったら言うだけだよ。」

珍しく勇人が真面目な顔をしていた。

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