ホームシックガール 第6話
「朋ちゃん、俺から言えなくてごめん。」
「え、どういうことですか…?」
「俺も好きです。よろしくお願いします」
「ねぇ綾ちゃん、私彼氏できたよ!」
” よかったね、朋!相手は誰なの?? ”
「桜葉高校の松宮先輩!」
”・・・”
突然の無言。電話からでも、綾ちゃんの困惑が伝わってきた。
” ねぇ朋、松宮くんの噂、聞いたことない? ”
「それでね、結局綾ちゃん何も教えてくれなくて…」
「んー、噂って何だろう。僕は聞いたことないな。」
「勇人でも知らないんだ、何だったんだろう」
無言が続いた後、私はあることを思い出した。
「そう言えば、あの時先輩を呼び出したの勇人でしょ!」
待っていました、と言わんばかりに隼人がニヤリと笑う。
「そ、可愛い字で手紙書いて出したの僕。」
全く、どこまでも自由なやつ。
「もう、何で勝手にそんなことすんのよ〜」
「でも、朋ちゃんが松宮くんと付き合えたのは僕のおかげでしょ?」
否定できないのが悔しい。
「んで、明日デートでもすんの?」
「えっ、何でわかるの?!」
「何年幼馴染みやってると思ってんの?髪いい匂いする。トリートメントした?可愛い。」
さすがモテ男子。そういう細かいところに気づく。
「また可愛いとか言う。もうそれ勇人の口癖じゃない?勇人みたいな男子に可愛いなんて言われたら、みんな勘違いしちゃうよ?」
「いや、誰にでも言うわけじゃないよ、本当に可愛いと思ったら言うだけだよ。」
珍しく勇人が真面目な顔をしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます