ホームシックガール 第3話

「ねぇ綾ちゃん、明日歌のテストだよ〜」「は、ありえないんだけど、無理…」

クラスメイトの綾ちゃんと校門を出ると、目の前に人混みがあった。

「朋、あれなんだろう?」「なんだろう?」

不思議に思って覗いてみると、中心に見たことのある顔があった。

「松宮くん…?!」

「あぁ、いたいた。朋ちゃん…だったっけ?一緒に帰ろう」

松宮くんの周りの女子が睨んでくる。きっとファンクラブか何かだろう。

何が起きているか分からずに固まっていると、松宮くんが私の手を引っ張って行った。


「あの…どうして迎えに来てくれたんですか?」

「おぉ、やっと声出してくれた。だって、今朝 朋ちゃんが ”また” って言ってくれたじゃん、だからね。」

「そうだったんですか、わざわざありがとうございます。でも、なんで私なんかなんですか?さっき松宮くんが囲まれてた女子、みんな可愛くて…」しまった、ついいつもの癖で自虐してしまった。好きな人の前で…

「あ、すみません…」そう言うと、松宮くんが「いや、朋ちゃんは可愛いよ」と言う。

どうせ格好良い人のことだ、女の子に可愛いと言うなんて慣れっこで、何とも思っていないのだろう。そう思いながら松宮くんの方を見ると、顔を真っ赤にしている。

んんんん…??どう言うこと…??

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