第11話 会議の準備 前編
次の日、俺はベッドで目が覚めた
隣にはキュリアが寝ている・・・全く此奴は・・・
昨夜は酷い目にあったな、キュリアの胸はもう凶器だな窒息ブレストプレスで死ぬかと思ったわ。
因みに一緒に寝てても何もしていない。変な既成事実でも作れば、大変な事になるからな。
安らかに眠ってい居る顔を見るとなんかムカムカしてきた!ぺしっと額を叩いておく。「むにゃー」と言ったが起きなかった。あれだけ呑んだからな。
俺は起きて外に出た。広場は元通りになっている。
「ラヴォージェさんおはよう。広場が元通りになっているけど何時何処に片づけたの?」
「おはよう御座います。すべて私から出来た物ですから吸収しました。」
「吸収出来るんかい!!如何やるんだよ!!」
そう聞くと根が、一本出てきた。
「これで吸い込んだのですよ!イリュージョン♪」
「お前は掃除機かよ!!」
「いえいえ!どら○(ピー)もんですよ」
「危ない!!著作権に触れるだろ!!」
「著作権などこの世界には存在しませんが・・・」
「この世界には無くても読者の世界には有るんだよ!!そう言う事は言ってはダメなの。」
「成程、成程、」
「そうそう、ラヴォージェさん、キュリアがキッチンが欲しいと言ってたけど出来るの?」
「奥様にプレゼントですかな?直ぐにお作り致します。」
「奥さんじゃない!!お前がそう言うとキュリアは直ぐに勘違いするから止めてくれよ!」
暫くすると林檎の家の隣にまた林檎の家が出来た。中に入ってみるとダイニングテーブルとキッチンが備わっている、調理器具、オーブンレンジまである。
食器棚には食器も有る、そして、こっちにもダブルベッドが有った。なんでダブルベッドなんだよ・・・ダイニングルームにベッドってのも酷いな。
しかし、本当に直ぐに出来たな。しかも地球の仕様だし・・・どうやって調べたんだろう・・・
「ラヴォージェさん、このキッチンこの世界には無いよね?どうやって調べたの?」
「キュリア様とケミン様の記憶のイメージで作りました。」
「俺の記憶も見れるのかよ!」
「そうですね。この世界にキッチンなどと言う言葉は在りませんから見させて頂きました。」
此奴には、隠し事が出来ないな・・・
「ところで、ラヴォージェさん会議の件なんだけど、何時開いたら良いかな?南の街から来るにしても時間が掛かるだろ?森の中を歩くわけだし。それに人間も居ただろ?あれは如何言う様に扱ったら良いのかな?」
「支流を遡ってくればそんなに時間は掛からないと思いますが、船着き場は必要でしょうね。逆に此方に居るのは、エルフとハニービーですから街まで飛んで行けますよ。街で開くのも宜しいかと思いますが。」
「街で開くのは一寸なぁ、先日、人間に囲まれたから、大変な事になりそうなんだよね。」
「でしたら、支流に船着き場が必要ですが、さすがに少し遠いので私では作れません。ケミン様に御尽力頂く事に成りますが、如何ですか?」
俺の最初の仕事は、船着き場を作る事か。正直今まで何もして来なかったから暇だったんだよね。
「了解したよ。序でに此処までの道の整備もしておくよ。それで人間は如何する?」
「人間達は、形式上ケミカリーナ王国の国民なのですが、実質は森の住人達ですから呼ばれた方が宜しいと思います。」
「むむ、キュリアの国の国民なのか・・・侵略されたのか?」
パッコーーンっとスリッパで頭を叩かれた。「痛あーーい!」
『ケミン!人聞き悪いこと言うんじゃないわよ侵略じゃなくて間借りしてるだけだから!』
何時の間に起きて来てたんだよ!しかもスリッパを何処から出したんだよ・・・
「痛いよ!キュリア!おはよう、そのスリッパ何処から出したんだよ!」
『おはよう!!スリッパなんて直ぐに作れるわよ!そんな事より、何でこんなに綺麗なキュリアちゃんが横に寝てるのに貴方は何もしないのよ!!既成事実が作れないじゃない!」
怒ってるのはそっちかよ・・・ そういうこと言うから嫌なんだよなぁ・・・
パッコーーン再度叩かれたー 痛いよ・・・
「まあまあ、キュリア様、ご機嫌斜めですね。キュリア様ご所望のキッチンを作りましたから、御覧に成っては如何ですか?」
ラヴォージェ、ナイスフォロー!
『もう出来たの!ちょっと見てくる!』
嵐が去った・・・
キュリアは、キッチンの家に入るとキャーキャー騒いでいた。
『ダブルベッドがあるーー!キャー』
喜ぶのは其処かよ・・・
「それで、ラヴォージェ、後は何時開くかだな。」
「そうですね、船着き場の告知も旅の準備等も有るでしょうから、一ヶ月後くらいで宜しいのでは?」
「分ったよ。それまでに船着き場と通路を作っておくから、告知と開催の通達は頼むよ。」
「了解しました。ケミン様、すぐに作業に行かれますか?」
「うん。じゃー行ってくるから。」
その時、キッチンの家の扉が勢いよく開いた。
『ケミン!出かけるの?ご飯、何がいい?作っておくわ♡』
「キュリアの一番得意な料理で良いよ。じゃー行ってくるから」
『行ってらっしゃい。ア♡ナ♡タ♡』
この勘違いは直らないのか・・・
『勘違いじゃない!!』
「・・・」『なんで無視するのようーもう!!』
俺は静かに移動した
いつもは支流まで飛んで行くのだが今日は歩いている。通路の確保のため、歩き易い所を探しながら行くのだ。
とは言ってもそれほど距離があるわけではなく、せいぜい一キロ歩くと着く。
通路に如何しても邪魔な木だけ伐採し桟橋の材料に加工していく、勿論風魔法で乾燥、切断はすぐに終わる。材料も風に乗せて運んで行く。
支流に着くと材料を下ろし状況を確認する。
うーん、川幅はそれなりにあるけど、普通に桟橋を作ったら他の船の往来に邪魔になりそうだな。往来の邪魔にならないように川幅を広げるか。
俺は、土魔法を使い河原にある石をどんどん上流の方に移動していく。地面と同じ高さになった所で、石が崩れないようにきれいに並べて固めていく。
俺の生前勤めていた会社に、石を接着する接着剤を作っていた部門が有ったのだが、その接着剤のイメージを使い、河原の護岸を完成させた。
そして、川岸の部分も同じように護岸を作っていく。桟橋も護岸に合わせて、逆L字型に作り、中央に一本河原が終わった所まで伸ばしておいた。
これで5隻くらいの船が安全に係留できる船着き場を作った。河原を潰しただけなので船の往来にも問題はないだろう。水量も広げた分、緩やかに成った位で全く問題なさそうである。
一応これ以上川が削られても困るので川底は土魔法で固めておく。すると、水面の高さが上がった?向こう岸の方が水深が有ったって事なのか。それで河原が出来てたのか・・・終わってから気付いたよ・・・
今日はここで終了にしとくか。
俺は来た道を帰る。問題は通路なんだよな。歩き易くするには如何するか・・・
ただ石を敷き詰めただけだと砂利道に成るだけだしな。森の中だと直ぐに下草に覆われるし、悩みどころだなぁ・・・
風魔法で下草を刈りながらラヴォージェの所に帰ってきた。
「ラボージェさんただいま、護岸工事と船着き場は出来たよ。通路の事なんだけど、下草が生えないようにしたいんだけど如何したら良いかな?」
「お帰りなさいませ。川の方はもう終わったのですか。流石ですな。」
「褒めても何も出ないよ、それより通路だよ」
「結界をを張られては?後でお教えします。それよりこちらは大変でした・・・」
「何かあったの?」
「まあ、お部屋に行ってみて下さい。私の口からは何とも・・・」
「キュリアただいま。入るよ」
『ア♡ナ♡タ♡お帰りなさい。ご飯にする?お風呂にする?それとも、わ♡た♡し♡に、する?』
キュリアが水着エプロン姿で待っていた・・・
此奴の頭の中は、どんだけお花畑なんだよ・・・ガクン
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