第5話お久しぶり現実

「ちょっと待って!」

そう叫んだ時にはもうすでに遅く、僕は日本に戻っていた。


場所はどこかの駅のロータリーな様で、急に叫んだ僕に向けてロータリーを歩いていた通行人が奇妙なものを見る目を向けている


咄嗟に待ってと言ったけど、待ってもらって何をするつもりだったのかというものはないが、ただ邪神様が綺麗すぎてもっと見ていたかったのかもしれない。


とはいえ、今は自分のことだ。


邪神様は僕に魅了と威圧の力を授けてくれたと言っていた。

もしそれが本当なのならきちんと確認したいのだが、確認するには使う必要がある。

しかし、きちんと使うためには練習が必要で、時間がかかる。


そもそも、他の人たちが魔法を得るには長期間の練習により少しずつ成果を上げていくのがほとんどなのだ。


操る魔法などはその練習が比較的容易であり殆どの人たちは火や水など各々の望むものを使い魔法を練習する。


つまり、実際に見えるものというのは成果が分かりやすく検証も容易なのだ。


しかし、魅了や威圧というのは目に見える成果が無いため練習のやりがいもその検証も難しい。


力を与えてもらったは良いが、どれほどの強さかもわからないのがまずいな。


駅のロータリーは居心地が悪かったため、今はそこから少し離れた公園で休んでいる。


公園のブランコに揺られながらそんなことを考えていた。


「ステータスが見えれば良いのだが…」


名前:N/A

種族:サキュバス

レベル:1


能力: 祈祷、魅了、威圧

称号:ヘルリの興味


呟いた瞬間、目の前にいきなり板の様なものが現れた



「なんだこれ」

そこには文字が書かれており、それを読んでいくにつれて僕の心は高まっていく


それは恐らく僕のステータスの様だった

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