エピローグ

僕は、駅のホームのベンチに座っていた。

特に何かするわけでもなく、ベンチに座っていた。


朝7時10分

通学・通勤のため、沢山の人がホームにやってくる。


あれから数か月後、僕は真新しい制服に袖を通していた。

ホームの階段から彼女たちがおりてくるのが見えた。


彼女は僕を見つけ、笑顔で挨拶してくれた。


「おはよう斗真君。ついに入学だね。」


僕は彼女に挨拶をした。


「おはようございます。りん先輩。」


僕は一年遅れでりんちゃんと同じ学校に入学した。

僕はこれからたくさんの人生を生きていく。

できることならば、これからも彼女のそばで…


電車の到着のベルが鳴る。


「いこっかりんちゃん。」

僕はホームからりんちゃんを見送らない。


それは、一緒の電車で通学をしていくから。


猫はホームを歩く。


「行ってらっしゃい。」


どこからともなく聞こえた声に、僕は手を振ってこたえた。

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幽霊さんの恋愛事情 ~「僕」と「彼女?」の物語~ 華音 楓 @kaznvais

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