花咲き散りたるは幻想郷

僕は、駅のホームのベンチに座っていた。

特に何かするわけでもなく、ベンチに座っていた。


朝7時10分

通学・通勤のため、沢山の人がホームにやってくる。


ハルウララ

うん、今日は暖かい日だね。


このホームのそばの道路と、線路沿いには桜並木が並んでる。

今ちょうど見ごろで駅のホームにもその枝木を伸ばしている。


りんちゃんたちはホームに伸びた桜の枝に咲き誇る花びらを見ながら写真を撮っていた。

いいなぁ~

ちょっとくらいいいよね?


りんちゃんたちが撮った写真を確認していると、駅には到着のベルが鳴った。

りんちゃんたちは顔を青ざめさせて電車に飛び乗った。

どうしてそんなに慌てているんだろう?


発車のベルの音とともに電車は進んでいく。

電車は花びらを巻き上げながら進んでいく。

それはとても幻想的で、とても綺麗だった。

僕の心も少しだけ弾んでいるの気が付いた。



「行ってらっしゃいりんちゃん。」

僕はホームからりんちゃんを見送った。


今日もりんちゃんにとって、いい一日でありますように。


あ、僕…写ったらだめだよね?

ごめん…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る