転生したら、日本とかいう国だった話。
ソラ
第1話 それでは、いってらっしゃい
「ベルド、あなたは若くして勇敢にボス攻略に挑んだ剣士です」
精霊リリーは羽を優雅に羽ばたかせながら旋回し、俺の目の前に静かに着地した。
「しかし、あなたは仲間を守って命を落としました」
俺はボス攻略に挑んでいた姿のまま、空の上の雲のようなもくもくとした地面の上に座っていた。
ああそうだ、ボス攻略の最中に俺は後衛にいた弓使いのジュオンをかばったんだった。かばうつもりはなかったんだがな、体が勝手に動いただけで。
「あなたのその栄誉をたたえて、記憶を残したまま異世界に転生してもいいという許可が下りました」
異世界?
「なので、これからの人生は「平和な異世界」で安らかにお過ごしくださいませ」
平和な異世界?
「あ、ちなみにあなたの設定は4人家族の次男で高校生という設定です。それまでの記憶は異世界に転生すると同時にあなたの脳内にインプットされますのでご安心くださいね」
こうこうせい?
「あ、それと、異世界についてもこちらの世界についても詳しいカイトという精霊があちらに常駐しておりますので、何かお困りの際は、カイトにお問い合わせくださいませ」
頭の中を整理しよう。
俺は剣士だ、魔物からこの世界を守るため、魔物を倒しながらボス攻略に挑んできた。父親と兄から剣術を教えてもらいながら成長した。今は仲間とパーティーを組んで、ボス攻略に向けて準備を重ねて、やっとボス攻略の一歩手前まで来たところだった。
そして、確かに俺は死んだ。
「それでは、いってらっしゃい」
それが異世界に転生?
転生したら、日本とかいう国だった話。 ソラ @dct18sun-rit
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