第44話 領域ボス、撃破
「コノ! 食らいなさイ! 【ライトニング】!」
[シン]の呪符で行動不能にした悠木を置き去りにしたまま、俺はサンドラの元へと向かうと、当然ながら彼女は
ふむふむ……状況からみて、六対四でサンドラが押しているか。
「サンドラ! 待たせた!」
「ッ! ヨーヘイ、あの女ハ?」
「ああ、[シン]の呪符で野ざらしにしてあるよ」
「アラ? アナタも結構ヒドイことするわネ」
タロースが振り回す鬼の金棒のようなものを[イヴァン]が
というか、一歩間違ったら死んでてもおかしくないんだぞ? 相応の罰は受けるべきだろ。
「それよりも……」
俺は目の前のタロースを見据える。
「エエ……それじゃ、今度こそ勝負ですわヨ?」
「ああ!」
俺とサンドラはお互いの手でタッチすると、二手に分かれてタロースを挟み込むような配置に就いた。
「サンドラ! 俺が[シン]のスピードを活かして呪符で動きを止めてみる! その隙にお前は【裁きの鉄槌】をぶち込め!」
「ハア!? ……って、いいんですノ? それだと、このワタクシが勝ってしまいますわヨ?」
「はは。というかお前、たかだか【裁きの鉄槌】一発でコイツ倒せるって思ってんの? それに、俺は楽して勝ちたいの。だから、お前がタロースを弱らせ切ったところで、サクッと倒すから気にすんな」
俺は口の端を持ち上げ、わざと余裕ぶった表情でそう言い放った。
ま、そうじゃないとサンドラの奴、俺がサポート役に徹することについて変に気を遣いそうだしな。
「プッ! ……フフ、そういうことにしといてあげますわヨ! [イヴァン]!」
『……(コクリ!)』
吹き出したかと思うと、サンドラの指示を受けた[イヴァン]が
「ちょ!? おま!? 俺の話聞いてたのかよ! [シン]!」
『ハイなのです! アレク姉さまとイヴァンおじさまをフォローするのです!』
[シン]は俺の
そして。
『ホイ、なのです! 【縛】!』
手に持つ呪符をタロースの背中にペタリ、と貼り付けると、すぐさま俺の元へと戻ってきた。
「よし! よくやったぞ!」
『えへへー、なのです!』
俺が頭を撫でて褒めてやると、[シン]は嬉しそうに目を細めた。
「食らいなさイ! 【裁きの鉄槌】!」
ようやくタロースの前にたどり着いた[イヴァン]は、
『グオオオオオオオオオッッッ!?』
その電撃の威力にタロースは悲鳴を上げた。
やはり脳筋
「マダマダァッ!」
――ドオン! ドオン! ドオン!
床に倒れるタロースに対し、なおも追撃の手を緩めないサンドラ。
タロースはというと、稲妻を浴びすぎて黒焦げだわ
そして。
「トドメですワ!」
――ドオオオオオオオンッッッ!
『グ……オ……』
とうとう力尽きたタロースが、
「フフフ! やりましたワ! やりましたワ!」
サンドラが両手を上げてはしゃぐと、同じように[イヴァン]も
『んふふー! マスター、やりましたのです!』
すると[シン]も嬉しそうにピョンピョンと飛び上がり、俺の前に来て両手を上げてきた。つまりこれは、俺とハイタッチしようってことだな。
「はは、おう!」
『わあい! なのです!』
俺は[シン]とハイタッチを交わすと……ん? サンドラがコッチに寄ってきた。
「フフ、ワタクシの勝ち、ですわネ?」
「ああ。全く……あんな攻撃反則だろ」
俺は苦笑しながら肩を
「はは、おめでとう!」
「ヨーヘイもなのだワ!」
俺達はハイタッチを交わし、大声で笑い合……っ!?
「サンドラ!」
「キャッ!?」
突然、緑色の液体が俺の視界に入ったのを見て、俺は
「グアアアアッ!?」
『熱いのです!? 痛いのです!?』
「ッ!? ヨーヘイ!? [シン]!?」
背中が焼けただれて激痛が走り、俺の
「ッ……! オ、オマエ……!?」
俺は顔を上げ、後ろへと振り返ると。
「アハ……アハハア……ッ! いいザマねッッ!」
苦痛で顔を歪ませながらも、無理やり口の端を吊り上げて
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