第159話 眩しすぎて・・・・

【ぎゃああ!何で言っちゃうの!】

 え?でも言わないと。

 そしてセシルは精霊を睨んでいると思ったら、何だか様子が変です。


 僕は精霊さんかな?にそんな感じで伝えたんだけど、セシルの反応がない。

「あんたにはセシルって娘がいるんだから・・・・セシルって娘がいる・・・・」


 おーいセシル?

【あ、しまった!あんたちょっとセシルって娘が固まったわよ!】


 うわ・・・・どうしたのセシル?何だか呪文めいた事を呟いているけれど・・・・

【暫くは問題ないわ。じゃあ早速使役しなさい!】


【・・・・わかったよ・・・・えっと光の属性?名前は・・・・『フォス』でどうかな?】


【フォス・・・・それが私の名前?】

【駄目かい?】

【いいえ・・・・主よ感謝いたします・・・・我が名はフォス。】

 今、精霊さんからそんな感じで伝わったと思ったら・・・・


 目の前が眩い光が辺り一面を明るくし、僕は眩しすぎて目を開けている事が出来なくなりました。

 そしてほんの少し光が収まってきたので、僕はかろうじて目を開けます。


 すると目の前には・・・・人の大きさぐらいの何かがいるような気配があります。

【どうかしら?】


 どうかしらって・・・・僕は隣で眩しそうにしているセシルにそれとなく聞くと、

「ひゃ、ひゃい!」

 何かに驚いたみたいで、聞いていなかった?


「それでフォスさん、僕の言葉は分かる?」

『ええ、今からは私も言葉を発しましょう。』

「それは良かった。それでね・・・・どう?って事だけど・・・・」


『ええ、主の理想とした姿になれたかしら?自分で言うのもなんだけど、中々素晴らしいスタイルの気がするのよね?この様子だとお顔も素晴らしいわねきっと!』


 女性なら・・・・顔の造形も気になるよね。

 この精霊さんは何と言ったらいいのか、お顔を主・・・・僕の事かな?その主によって顔の造形が左右されるみたいなので、一応知り合いと違う顔を思い浮かべてみたよ?


 つまりセシルや知り合いの顔とは違うお顔を想像してみたんだよ?

 あとそう!確実に顔が被らないように、少し年上を想像してみました!

 僕は今15歳。セシルも14歳だから、精霊さんには20代半ばぐらいの大人なお顔になってもらいました!これなら絶対にかぶらない!でもね、これ伝えた方がいのかわからないんだけど、どうしよう。


【ちょっと何?もったいぶらないでよ!】

 念話もそのままできるんだね。あと心を見るのってどうにかならない?

【それは無理!精霊を使役するというのはそういう事なのよ?】


【・・・・まあ仕方がないんだけど・・・・一応セシルに知られてもいいとは思うんだけどね。貴女の、精霊さんのお顔はね・・・・】


【うんうん!】

【貴女は光の属性なので仕方ないと思うけれれど、眩しすぎてお顔が見えないんだ・・・・ごめんね。】


 あ、今あからさまにガクってなった!

【し・・・・しまったわ!】

 こうして光の精霊を使役できたようですが・・・・眩しくてその姿をはっきりと認識できませんでした。

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