第136話 ヴィーベとリニ

 驚く僕を尻目に、ヴィーベさんは興奮した様子を隠そうともしないで色々な事を喋りまくってくれています。


 支離滅裂な所もありますが興奮しているので仕方がない、のかな。


 要約すれば、

 トゥーニスさんは国王に招かれ王都に住んでいる。それに伴い住居を手放した。


 ヴィーベさんとリニさんは・・・・何と婚約中!

 もうすぐ結婚するらしいです。


 そうか、リニさんついにヴィーベさんの面倒を見る事にしたんだね・・・・

 あ、そうそう、2人の事なんだけど、


 ヴィーベ・クンスト、18歳 リニ・ゾンネフェルト、17歳

 なんだって。そう言えばヴィーベさんって4歳ほど年が違ったんだよね。


 そして3年前?遊び人狩りと称するダンジョンでの一連の悪行はさらにエスカレートしていき、今度は成長の遅い上位職の冒険者見習い・・・・レイナウトやロースの事だね・・・・彼等までその被害に遭ったそう。


 しかしその後トゥーニスさんの活躍?があり流れが変わって、つまり教会の勢力に対し決定的な対立が発生、それに勝利したトゥーニスさん達のおかげでこう言った悪行に終止符が打たれたらしいです。


 全てヴィーベさんの早口での情報なので、こんな感じだと思うのですが、

「馬鹿ヴィーベ!デルクが困っているじゃないの!あんたいつも考えなしなんだから!そんなんじゃ結婚考えちゃうよ!」

 ・・・・僕が戻ったせいで結婚を取りやめるとか勘弁してほしいんですけど。

「ちょ!リニそりゃあないんじゃないか?ちょっと嬉しかったからこう何ていうの?気持ちが高ぶっただけなんだからさ!」


「・・・・そういう事にしておいてあげる。あ、そうそう私と馬鹿ヴィーベはね、デルクがダンジョンで生きているって思っていたから、こうして街に残って仕事がない時はダンジョンを探索していたんだ。」


 僕は色々な情報が一気に入り込んで混乱してしまいました。

 そして2人共商人ギルドなのかな?で勤務しているらしくって驚いたのですが、


「あ、すっかり忘れていたけれど、商人ギルドの建物って以前は商館って呼んでいたのよね。だからここも2つの呼称がごっちゃになっちゃって、結局混乱するからと今では商人ギルドで統一してるから気を付けてね。」


 これは暫く慣れるのに時間がかかりそう。


「そうだよな、ここ2年程物凄い変化があったからね。たぶんこの国って数十年大した変化がなかったからさ、今じゃ変化の流れで右を見ても左を見てもすっかり変わってしまってさ。あ、何故商人ギルドなんだって?冒険者ギルドは教会の勢力の影響が凄くってさ。だからこっちにしたんだ。今じゃもうそんな事はないと思うけどさ。」

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