第113話 今できる事は全て終わった・・・・と思いたい

 収納かばんを用意できたデルクは、3人をずっと待たすのもどうかと思い、一度合流する事に。


 あ、その前に何か忘れものがないか確認しておかなくちゃ。


 デルクは一応身の回りを確認し、問題ない事を確認。

 宝石拾いをしている3人と合流しました。


 うーん、なんだか変な空気感があるけれど、何かな?


「デルク!」


 セシルが小走りにやってきて・・・・ロースまで。

 何故に?


「デルク、私とセシルちゃんの宝石、どっちがより貴重なのを獲得したのか調べてよ!」


 ロースは何だか興奮しているのだけど、何故かな?

「えっと何?どういう事?」


 訳の分からないデルクはそう聞くしかなく、ロースではなくセシルが答えてくれるのがさらに何故??


「変化が欲しくてロースと勝負。デルクの鑑定で調べて。」

 2人が差し出す原石は濃い色が多く、濃いと価値があるのかな?


「その・・・・2人とも、勝負とか何の事かな?勝負の基準もわからないし。」

 一番価値のある宝石を持っていた方が勝ちなのか、総額が上の方が勝ちなのか。


「一番価値のある宝石を拾ったのがどっちか。」

「総額よ総額。」


 これはどうすれば?なんで2人の意見が分かれているの?


「ねえセシルとロース、きちんと勝敗の基準を決めていたの?」

 あ、2人顔を見合わせている。きっとお互い思い違いをしているぞ?


「まあ僕が鑑定するから、その間に決めてくれる?それと沢山鑑定すると大変だから、そうだなあ・・・・お互い10個まで出してくれないかな?」


「え?何で10個?」

 ロースは不思議そうに言っているけれど、理由はあるんだよ。


「一番価値のある宝石がどれなのか鑑定しないとわからないけれど、全部調べてたら時間がかかって大変だしね、だけど数を絞ればそれほど時間もかからないし。」


 早速2人とも10個選んでいきます。

 意外と早く差し出してきたので、それぞれ分けて調べてみます。


 暫くして結果が出たんだけど、

 結局一番高価なのはセシルので、総額はロースに軍配が上がりました。


 引き分け?

 まあどっちでもよかったのか、2人とも嬉しそうにしています。

 そしてレイナウトがやってきました。


「デルク、一応僕のも調べてくれないかい?」

 そう言ってレイナウトが10個の原石を差し出してきましたが・・・・


 あ、これ駄目なパターンだ。

 何せどう見てもレイナウトが差し出した原石、全てセシルの一番価値があるやつより立派だから。


「・・・・どうしろと?」

「え?何か問題があったのかい?」


 僕はレイナウトを連れてひそひそ話ます。

 2人には聞かせられません。


「え?そうだったのか?知らなかったよ、そんなに価値があるなんて。」

 レイナウトが拾った原石は全部2人のより価値ありなんだけど、これは黙っておく事にしました。


 これは3人には言えませんけれど・・・・レイナウトにすら内緒ですが・・・・足元に落ちていた宝石を適当に拾ったら、全てがレイナウトの宝石より価値があったんです・・・・どうして?


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る