第96話 調子に乗って、全員分の武器を

 94層へ向かうと決まり、それぞれ準備を始めます。


 セシルとレイナウトは各々それなりの業物を持っています。

 しかもそれぞれの剣は駆け出し冒険者には分不応層ともいえる高性能なのです。


 特にセシルは専用装備。だからと言ってその武器を使い続ける必要はない訳で。

 ぶっちゃけセシルが所持している武器は、セシルの身長や体型を考えると大きすぎ、取り回しが悪いです。

 なのでそれを考慮し、セシル専用武器を打ってみようと。


 今セシルが持っているのは神聖騎士専用装備の剣であり、あくまでジョブ専用装備。


 まだ鎧をどうこうできませんが、剣だけなら。

 あ、既に鎧は軽量化していたっけ。


 そしてレイナウトも魔法戦士向けの剣を装備しているようですが、残念ながら魔剣ではありません。

 レイナウトの特性を考えれば、魔剣の方が良いはず。


 なので2人の剣を打つ事にしました。


 そしてロースなのですが・・・・

 彼女は武器で戦うのは専門ではなく剣はせいぜい短剣を、それも護身のために使う程度なので・・・・最近投げナイフを使って投擲スキルを育てる時に剣術も育ったのですが、剣を持って戦うのは何か違います。

 精霊使いに必要なのは何か?

 考えたのですが分かりません。


 杖を作成し、魔力を制御しやすくするべき?


 精霊に好かれるような何かを作成できればいいのですが、精霊に関しては専門外なのでわかりません。

 まあ杖は有効と思うので、魔力を制御できる何かと、いざという時の為に仕掛けを設けよう。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 3人が準備をしている間に、3人の装備を・・・・2人の剣、そしてロースの杖を打ち、そして作成します。


 ロースが近くに居るからなのか、僕の剣を打った時もそうですが、何やら精霊が関連している?すごく剣を打ちやすく、またしても素材の声が聞こえるんです。


 よくわかりませんが、素材の配分は僕の時とは違うようです。

 そして剣の長さや幅も違います。


 そして付与する魔法もそれぞれ違い、レイナウトの場合僕の能力を絶対超えているような仕様になったのですが・・・・何故こんなのになったのか未だに分かりません・・・・基本の4属性、この4属性をレイナウトが使い分け、その時々に応じた属性剣になるという、物凄い便利な剣に仕上がってしまいました。

 使いこなせば反則級な武器になりそう。

 何せ魔物はそれぞれ得意、不得意な属性があるので、相手によって属性を変えて戦えるのはかなり有効です。

 まあ苦手な属性がない魔物もいるので、その場合は単純に剣の能力が物を言うのですけれど、良い素材を使ったので問題無いでしょう。


 そしてセシルですが、鎧が重いので剣だけでなく全体の軽量化ができるようにしています。


 そしてこちらは魔法の増幅が可能になっています。

 0~1000%ほど。

 1000%だと10倍。

 ただ自身の魔力もごっそり持っていかれてしまうのが難点ですけれど、強敵に対し威力ある一撃を放てる魅力があります。

 そしてセシルの魔法は回復や補助魔法がメインなので、セシルの剣には属性剣を仕込んでいません。

 その代わり、魔法の増幅と相反しそうですが、魔法を効率よく使えるようにしています。

 無駄な魔力が極力出ないよう、まあ燃費が良くなった感じです。


 そしてロースの杖。


 こちらはよくわからないまま、その・・・・ロースの杖を作っている時は何故か声がずっと聞こえ、そしてその声に従う形でよくわからない事をしてしまいました。


 その声に従った謎仕様の杖。

 多分精霊を呼び出しやすいとか、そう言った付与になっていると思うのですが、どうなんだろこれ。


『気にしたら負けよ?』


 そう言えばこの前もそんな事をささやかれた気がしますが・・・・何に負けるのでしょう?


『それとありがとう。』


 何故か感謝されました。

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