第63話 魚の回遊に巻き込まれる
落下は収まったようですが、一体どうしたの?何が起こって今どうなっているの?
幸いな事に僕はフライの魔法を使用し、その効果のおかげで囲いが浮き始めました。
囲いは落ち着いているようなので、今は囲いの制御よりも状況把握を優先しないと。
先ずはセシルの無事を確認しましょう。
「うう・・・・」
セシルは唸っているようです。何処か怪我をした?
「セシル!しっかり!何処か傷む所はない?そもそも喋る事は出来るかい?」
「デルク?うん大丈夫。色々打ち付けたが問題ない。」
そう言って立ち上がって腕を動かしたり確認している様子。
僕も起き上がり何処か骨折していないか確認しますけど、大丈夫そうです。
しかし何だったのでしょう。
そう思っていると、何かが迫ってくる気配を感じます。
ドカッツ!
囲いに衝撃が加わり、かつ囲いは浮いていたのでまたもや吹き飛んでいきます。
「きゃあ!」
セシルの悲鳴が聞こえますが、僕は囲いを制御するのに精いっぱいで、申し訳ないがセシルの事を確認できません。
何とか立て直し、実際横倒しになっていた囲いを元の姿勢に立て直します。
やっと落ち着きますが、
「デルク危ない!」
セシルが示した先、そこには囲いめがけて突き進んでくる魚の姿が。
「セシル、手すりにつかまって!」
囲いには手すりが設けてあり、元々はこの手すりにつかまって、囲いの下に空いている穴に足を通し、歩いて移動できるようにしてあるんです。
なので目の前に突進してくる魚が囲いにぶつかっても大丈夫なように、手すりがあるんです。
急いで手すりを掴む僕とセシル。
そして土魔法で囲いの外に壁を作り、何とか魚が囲いにぶつかるのを避けようとしましたが、魚の勢いはすさまじく、壁を難なく貫通し破壊されてしまい、その勢いのまま囲いにぶつかってきました。
ですが僕はこの時既に囲いの制御を把握しています。
そして囲いは土魔法で固定しています。
魚は壁を突破し囲いにぶつかってきますが、今回魚は囲いの刃に突進してきたので、魚は自らの突進速度のせいで囲いの刃で分断されてしまい、そのまま死んでしまいます。
で、囲いの中には魚のドロップアイテム?
魔石とこれは魚の身でしょうか?
囲いの床にこれらが落ちています。
「デルク凄い!」
どうやら囲いの機能は問題ないようで、魚は囲いの刃で見事撃退できた様子。
「セシルは大丈夫?」
余裕ができたので、セシルに聞いてみます。
「問題ない。それよりどうする?」
「まずは魚がどうなっているのか見極めないと。」
そう言ってる間にも魚は何度か囲いにぶつかってきます。しかし全て刃に阻まれ、囲いにぶつかった魚は全て死んでしまいます。
死ぬといいますか、討伐できている?
僕達はどうやら、先ほど囲いを穴に移動させていた時、上から何か降ってきて、それに囲いがぶつかり衝撃で制御不能になって落下、そしてこの階層へ到達した時に魚が囲いにぶつかってきて、その衝撃で囲いが移動、地面に降り立つことができた、でいいのかな。
「様子を見てなんとか安全な場所まで移動しよう。」
「わかった。」
さてどの方向に向かえばいいか。
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