第20話 ジョブチェンジの有用性

「凄いなデルク。まだ時間はあるか?あるならこれを見ろ。」

 そう言いつつヴィーべさんが何か差し出してきます。

 何だかモコモコしたもの?

 急いで鑑定を・・・・もうそろそろ1分が経つ頃ですし、間に合うかな?


 <名前:毛糸のパンツ>

 <用途:女性用下着の上に穿く防寒具。腹の冷えを抑える。>

 <素材:毛糸・魔糸>


 ・・・・??


 僕はそれを見て固まりました。

 それはリニさんも同様で、しばしの沈黙が周囲を静寂にさせていきます。


「け・・・・毛糸のパンツと表示が出ましたよ。」


 すると信じられない素早さで、リニさんがその毛糸のパンツをヴィーべさんから奪います。


「ちょ・・・・これ!さっきまで私が穿いていたやつじゃない!なんであんたがこれを持ってるのよって・・・・何で私穿いていないのよ!」


 さっき2人でいちゃついている時に盗ったんですか?

 もしかしてそんな事にスキルを使いましたか?


「し・・・・信じられない・・・・見られただけじゃなく・・・・盗まれるなんて。」


「いやあ、実に暖かそうじゃないか!」

 うわあヴィーべさん、今は何も言わない方がいいと思うのですよ、僕は。

 言えば言うだけ悪くなりますよ?


「こ・・・・」

「こ・・・・?」

「この!けだものおお!!!!!」


 ヴィーべさんが平手打ちを食らって、最後は思いっきり蹴りを入れられ、また何処かへ飛んでいきました。

「やっていい事と悪い事があるってのに・・・・まったくもう!」


 顔を真っ赤にさせながらリニさんは去っていきましたが、これからどうしたら?


 気が付けば僕のスキルに【鑑定】が増えていました。レベルは1・・・・え?もう1?

 そして、ジョブチェンジですが、こちらもレベルが1になってます!

 あれ?レベルが上がるの早いですね。


 一寸使っただけなんですけど・・・・そして2人がいなくなったので、もしかしてまた使える?と思ってジョブチェンジをしてみますが・・・・できました。

 今度も商人にしました。

 あれ?鑑定スキルを取得したんだから、もうジョブチェンジしなくてもいい?

 だけど、後から何度か試して分かった事ですが、そう甘くはありません。

 どうやらジョブチェンジで得られたスキルは、そのジョブになっていないと使えないようです。



 そしてこの鑑定ですが、もしジョブチェンジしないまま使おうと思えば、商人から学ばないといけないそうです。

 これは後で本を読んで知った事ですが。


 それと、これは更にもっと後でわかった事ですが、スキルのレベルがある程度上がれば、ジョブチェンジしなくても使えると言う事です。但し、習得には相当時間がかかります。


 そしてこれも後から分かった事ですが、ジョブチェンジをして得られたスキルは、レベル5になればジョブチェンジしてなくても使えるようです。

 レベル5なので、確かに相当習得に時間がかかりそうです。


 現時点での結論

 ①基本ジョブチェンジで発動したスキルは、そのジョブになっていないと使えない。

 ②直接教えて貰ったスキルは、常時使える。

 ③レベルが上がれば、更に使い勝手が良くなる。

 もっと色々試行錯誤をしないと細かい事が分かりません。


 そして今回、商人にジョブチェンジしたので、また鑑定をしてみます。


 すると、


 <名前:ステータス表示プレート(改)>

 <用途:ステータス表示を表示する事ができる。また、職業固有のスキルを表示する事ができる。>

 <素材:表示プレート本体(ミスリル及び鉄)・魔石>

 <必要スキル:道具作成・錬金術・付与・鑑定>


 あれ?何か表示が増えてます?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る