第19話 何故か2人に講義を

「じゃあヴィーべさん・・・・」


「何だか腹の具合が・・・・」


 そう言ってしれっと回れ右をするヴィーベさん。


「馬鹿ヴィーべ!逃がさないわよ!」


 うわ!リニさんヴィーべさんの脛を思いっきり蹴っている・・・・あれは地味に痛いんですよね。


「痛い痛い!脛は地味に痛いんだってば!」

 おもいっきり転んでいる・・・と思ったら今度はお尻?

 リニさんヴィーべさんの上に乗っかり今度は握りこぶしでお尻をぐりぐり?


「うぎゃああ!ななななんだ・・・・いてえええ!やめ!いて!いてええ!」

「こめかみのお返しよ?」


 容赦ないなリニさん。

 リニさんがお尻をぐりぐりしてる場所を見て、自分でしてみたら・・・・かなり痛かったです。


 自業自得とはいえ、暫くヴィーべさんの歩き方が変でした・・・・で、今は2人して僕の前なんです。


「その、順を追って確認しますね?」


 うんうん頷く2人。


「まず、遊び人のスキルはジョブチェンジで、ステータスオープンと念じると、表示が現れるんですよね?」


「そう言ったよ私。」

 その後止まらずに一気にでしたよリニさん。

 うーん、これかな。

 あ、何か出てますね。

「スキル【ジョブチェンジ】を選択し、今回は商人を選択、でいいのですよね?」


「うん、そう言ったよね?」


「選択しましたよ、はい商人になれました。スキルに【鑑定】があります。そのアイテムを鑑定すればいいんですね?」


「そうそう!やっぱり教えた私が優秀?」

「あほいえ!デルクが優秀なんだよ!」

「何よう!はたかなくてもいいじゃない!」


 相変わらず仲がいいです。

 時間がないのでサクッといきましょうか。

「時間がないので鑑定します。」


 <名前:ステータス表示プレート(改)>


「ステータス表示プレート(改)と出ましたよ?」


「おお!成功じゃないか!」

 ヴィーべさんは嬉しそうに言ってくれますが・・・・

 これ以上の表示は?さっきリニさんがレベルが上がれば・・・・と言っていましたね?

 これってあと2つ商人になれば?もしかしてと思う所があるので、一寸この際だから試してみようかと。


 僕は時間がないので、遊び人②のスキル”ジョブチェンジ”を選択、商人へ。

 続けて遊び人③のスキル”ジョブチェンジ”を選択、商人へ。

 急いで鑑定を・・・・


 <名前:ステータス表示プレート(改)>

 <用途:ステータス表示を表示する事ができる。また、職業固有のスキルを表示する事ができる。>

 <素材:表示プレート本体(ミスリル及び鉄)・魔石>


 思った通り、表示項目が増えています。


 僕の考えが当たった?まだわかりませんが、これって同じジョブになれば、スキルの重ね掛けが出来る?

 ただ、僕のレベルが低いので、今の所1日に一度しかできないのが残念です。

 これが本当に僕の思っている事が正解か否か、結果がかわかるのに数日はかかりそうです・・・・


 そう思っていると、心配そうにリニさんが僕を見ています。

「ねえデルク、どうしちゃったの?」

「あ、ごめんなさい、一寸考え事をしていました。」


「ふうん・・・・で、どうだったの?」

「ええとどうとは?」

 今度はヴィーべさんが

「デルクの考えそうな事は分かるつもりだぜ?せっかく同じジョブが3つあるんだ、鑑定を重ね掛けしたんだろ?」


「ええ、よくわかりましたね?」

「え?マジでか!本当にできるんだな重ね掛けって。そんな事なら俺もセカンドジョブ取っとくべきだったぜ!」

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