第14話 毛糸のパンツ

「しかしなあ・・・・ちょっとばかし胸が膨らんできたからって・・・・これはどうかと思うんだよね。」


 そう言いつつ、ヴィーベさんだっけ?リニさんが僕に背を向けている時・・・・背後からペロッ!


 スカートを思いっきりめくって・・・・


 そこには暖かそうな毛糸のパンツが・・・・


「え?何?何だかスースーする・・・・ってぎゃあ!何晒しとんじゃ!」


 リニさんなんだけど、ヴィーべさんが自分のスカートをまくって、穿いているパンツが丸見えに・・・・お尻丸見えなのに気が付いて、顔を真っ赤にしながらポカポカヴィーべさんの頭を叩いてます。


 しかしこの時・・・・

 この毛糸のパンツが後に3人を救う事になろうとは、この時は誰も想像すらしていませんでした。そう、毛糸のパンツが3人の役に立つなんて思わなかったんです。


【毛糸のパンツは世界を救う】


 ちょっと違う?


【毛糸のパンツが3人を救う】


 微妙・・・・



「いくら何でも酷すぎるわ!どう責任取ってくれんのよ!もうお嫁にいけないじゃないの!」


 うわ・・・・泣きだしたよ・・・・僕知らない。


「僕と結婚すればいいじゃないか!それで万事解決じゃないか!」


 あ・・・・リニさんの動きがとまった・・・・もしかしなくてもやっぱりそういう関係だったの?


「え・・・・?私とヴィーべが結婚する・・・・の?」

「え・・・・だ・・・・駄目かい?」

「駄目かいって言われても・・・・その・・・・」


 そして上目使いでリニさんはヴィーべさんを見て、そのまま右足が・・・・


 どごっつ!


「うごごっごげばぼ・・・・・・」


 見事リニさんの右足はヴィーべさんの股間を直撃・・・・痛そう。


「ふん!その気もないのにそんな事言うんじゃないわよ!毎日毎日そんな事言いやがって!」


 あ、何処かへ去っていきます。


 暫くして股間を抑えつつ、起き上がるヴィーべさん。

「すまないね、まあそういう訳だから暫くは僕らが面倒みるから。」


「いいんですか?あのまま行かせて。本当はリニさん、ヴィーべさんの事が好きなんじゃないですか?それにヴィーべさんもリニさんを好きですよね?」

「うぐ・・・・何故わかる?」


「好きな女性を振り向かせたいから、わざと嫌な事をしてるのでしょうが・・・・あれは思いっきり逆効果ですよ。」


「・・・・そうなのか?」

「ええ。本当は優しくされたいのですよ?」


「え?まじ?おーいリニ・・・・」


 あ、今そのまま向かっても逆効果なんじゃ?


 そして案の定、ヴィーべさんは宙を舞って戻ってきました。

「・・・・ただいま。」

「おかえりなさい・・・・」


「ヴィーべさんはもっと女性をどう扱うべきか、学んだ方がよさそうですね。」


「うむ、そうしよう。しかし・・・・今まであんな反応はなかったんだよ!やはりこれは脈あり?」


「もう少し、女性の気持ちを・・・・」


 駄目です、聞いていません・


 いいのでしょうか?今後が心配です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る