第11話 トゥーニス・ファン・ホーヘンドルプ
トゥーニス・ファン・ホーヘンドルプ 36歳。
現役の冒険者であり職業は遊び人。
デルクの見立てでは、とても遊んでいるようには見えずトゥーニスさん曰く、遊び人という職業は、決して遊んでいる訳ではないらしいです。
そして何故か僕を弟子にして下さるとか。しかも三食宿付き。
何か手伝わないといけないらしいけど、その手伝いの内容は合法らしい・・・・?犯罪だったらショックだけど。
「先ずデルク、5年かけてレベルを最低5まで上げておく必要がある。その前にまずはレベル1にしないといけない。レベル1になれば遊び人のユニークスキルが発現するはずだ。」
遊び人のユニークスキル?
「すいません、そのユニークスキルと言うのは何でしょう?他の職業でもあるのでしょうか?」
「ああ、あるな。その職業独自のスキルだ。俺は他のユニークスキルが何か知らないが、遊び人の職業は、極めれば最強の職業だ。」
「え?では何故皆馬鹿にしたのでしょう?」
「それはな・・・・昔遊び人の誰かが、遊び人という職業の真の凄さに気が付いた。そして、それがばれると自身の立場が危険にさらされる・・・・そこでそう言った手を打ったのだろうな?」
「そう言った手?」
「つまりだ、遊び人という職業は危険ではなく、役立たずの職業と認識させたかったのだろうと思っている。」
「はあ・・・・あまり理解はできませんが、その人の思惑通りに遊び人は役立たずの外れ職業と世間は認識しているのですか?」
「・・・・今その噂を拡げた本人はだな・・・・これは遊び人の中では公然の秘密なのだが・・・・宰相閣下なのだ。そしてそれを命令したのは・・・・現国王陛下、その人だ・・・・実はこの2人、遊び人なのだ・・・・」
「え?そんな筈は・・・・宰相閣下の職業は確か【賢者】、そして国王陛下は確か・・・・」
「【剣聖】だ。」
「その、僕は理解できないのですが・・・・」
「つまりだな、遊び人と言うのは、レベルが上がると、ユニークスキルを得る。
これは遊び人だけのスキルなのだが・・・・このスキルが問題でな。制限もあるが短時間ながらあらゆる職業になれるのだよ。そしてレベルが上がれば上がるほど、そのスキルの持続時間も、変更できる回数も増える。」
「え?ちょっとその・・・・ジョブチェンジなのですか?ユニークスキルって。」
「ああ・・・・そして国王陛下は、自身の職業が遊び人ではまずいと思われたのであろう・・・・遊び人という事実を隠し、剣聖として・・・・つまりユニークスキルで剣聖となっておけば、皆従ってくれると思ったのだろう。まあ流石に遊び人に好き好んで付き従う連中はそういるまいし。」
・・・・それを何でトゥーニスさんが知っているの?
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