第7話 家を追い出される

 僕は一応報告と思い世話になっている、つまり自分が今暮らしてる家に向かいます。


 家に入ると親戚、つまりは伯父さんと伯母さんが待ち受けていました。

 どうやら噂が広まっていたようで、2人は既に僕が遊び人を選定してしまった事実がどうやってか知っている様子です。


「おいデレク、どう言う事だ?お前と一緒に選定に向かった連中が、ことごとく儂の家に暴言を吐いているではないか!遊び人の住む家だ!と。まさかおまえ、遊び人なんて職業になったんじゃないだろうな!」


 伯父さんごめんなさい、そのまさかの遊び人なんです。


 僕は無言でカードを差し出します。

 伯父さんは黙ってカードを受け取り、伯母さんに渡します。

 伯母さんも震える手で受け取り見ています。


 僕にカードを返してくれました。


「可哀想な弟の子だと思って世話をしてきたが、遊び人の面倒を見るほどお人好しじゃないのでな。今日を限りに出ていってもらおうか!」

「あ、あなた!いくらなんでもそれは!」

「いいかお前!デルクがこのままこの家に居続ければ、さっきの連中がまたあんな事をしてくるんだぞ?」


「で、ですが。お義姉様と約束しましたのに。」


「もう選定を受けたんだ、義理は果たしたさ。弟も遊び人になった息子の面倒を見ろとは言わんさ。」


「ですが・・・・」


「なあそうだろデルク?俺達はお前をここまで面倒見てやったんだ。お前ならわかるだろう?」


「はい伯父さん。悪いのは遊び人を選定してしまった僕です。伯母さんも今までお世話になりました、そしてありがとうございました。荷物をまとめ、出ていきます。」


「まあ、その、デルクよ、恨むんじゃないぞ?」


「分かってます。むしろ今までこうしてよくして下さった事、このご恩は一生忘れません。それでは部屋の荷物をまとめ、出ていきます。」


 僕は泣きそうになるのを必死に堪え、荷物を纏めに向かいます。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 僕は部屋に入ると上着を脱ぎ、隠してあった服に着替えます。

 万が一があった時の備えで、服にポケットを仕込んであり、そこに今まで地道に稼いだ・・・・と言っても金貨数枚ぐらいだけど・・・・お金を服やズボンの隠しポケットにしまっていきます。

 万が一財布を無くせば全て失います。それを避けるためにこうして分散しています。

 今はカードがあるので、後でギルドでカードに入金しないといけませんが。


 そしていつでも冒険者として活動できるよう、着替えの服や小袋、小さな水筒や食器、ロープ等の入ったカバンを背負い、腰にはあまり切れ味はよくないですが、ナイフよりは大きい、ショートソードに見えなくもない剣を腰にさし、懐にはナイフを仕込み、少量ながら用意してあった薬も持ち出します。


 残念ながら全てを持ち出すには僕の体は小さすぎるので、諦めますが。

 手提げカバン等に入るだけ入れ、こちらは万が一捨ててもいいものを入れています。予備の服等を仕舞っています。。


 準備ができたので、伯父さん伯母さんに最後の挨拶をし、数年間過ごした家を出る事になりました。


 結局2人は見送ってはくれませんでしたが、仕方ありません。


 そしてついに僕は住処を失くし今後の見通しも立たないまま、この場を去りました。

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