第6話 カード
「知っておるとは思うが、そのカードは本人以外使えぬから安心するがよい。これも知っておるとは思うが金銭のやり取りもそのカードで行う事ができる故、くれぐれも失くさぬようにな。再発行はできるが、カードの中に残っていた金がどうなるかは分からぬからな。一応最後の取引先さえ分かれば、そのやり取りから判断できる場合もあるのじゃが、それも実際にはわからぬ。」
司祭様はカードの事を教えてくれます。
それと、カードは小さいので、表示される項目には限度があり、表示しきれなくなれば、個人で表示機能のある表示板を購入するか、ギルドや商館等に設置してある場所で確認できるのだとか。
それと、見せたくない表示は伏せる事ができるが、それはスキルやステータスであって、名前・種族・年齢・性別・レベル・職業・賞罰・所属は表示を常に見せないといけないようで。
女性の年齢丸わかりっていいの?って思うんだけど、年齢制限のある場所もありますし、こうした時に年齢を偽って、という行為を抑止する為らしいんだって。
ステータスやスキルはバレると場合によっては面倒事に巻き込まれるとかで、普段は消すようにと全員に申し伝えるようです。
なので今僕のカードは
<名前:デルク・コーネイン>
<種族: 人間>
<年齢: 10>
<性別:男の子>
< LV: 0>
<職業:①遊び人:②遊び人:③遊び人>
<称号・賞罰>
遊び人見習い
<所属>
無し
となってます。
レベルの表示が出ているけどいいの?これも強さがある程度わかるのに。
これも、依頼を受ける時の目安になるのだとか。
レベルが1や2でいきなりドラゴンとか無理ですから。
そして細かい説明を受けていきます。
「これ以上儂にしてやれる事はない。教会では1人に偏った手助けはしてはいけぬのでな。すまぬなデレク、力になれず。」
「いえいいんです。こんな外れ職業を引いた僕がいけないのですから。」
「運が無かったと言うしかないのう。しかし気になるのは、デレクのステータスじゃ。其方の運はA判定じゃろう?こんな強運の持ち主を、儂は未だかつて出会った事が無いのじゃがな。ひょっとしてその遊び人という職業、化けるかもしれぬのでな、気を落とさぬように。」
「はい、ありがとうございます!」
「それと、今後はもう頻繁には来ぬようにの。選定を受けた者が用もないのに頻繁に来てはならぬし、今後は教会での手伝いは無用なのでな。それは今後選定を受ける者が受け持つ務め故。」
「わかっております司祭様。それでは僕、行きます。今までの事、感謝いたします。それでは、失礼します。」
こうしてデレクは司祭の元を、教会から去った。
【くっ!まさかこの儂の目の前で遊び人が出るとは!しかも3連チャンでだと?そんなの国に言える訳が無かろう!何て事をしてくれたのだデレクよ!其方には期待しておったのに!くそがっ!だが、万が一化けるともしれぬし、ああ云っておかねばな。】
結局司祭様にも見捨てられていたデルクだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます