第17話

「良く来た。今お前たちに起きていることは読み取らせて貰った。」


不動明王が剣を振りかざしたと思うと、剣はその長さを伸ばし康平の頭の上で止まる。剣と康平の体が金色に輝きだした。


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やっと着いた。間に合った。これで助かる。康平は安堵すると思わず両手を合唱し、涙ぐんだ。


「あみちゃん!不動明王さんいるの??」


小さな声で語り掛けるがあみは正面を見つめたまま反応が無い。


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「ショウキンはなぜ私を無視するのだ。」


「あの、見えてないと思いますよ。」


そう答えながらあみの体から幽体が飛び出し、不動明王の顔の前まで浮遊した。


「どうした、ショウキンに何があったのだ。」


「そのさっきからショウキンショウキンってさめちゃんのことですか?」


「さめちゃん…そうか今はその名で通っているのだな。」


剣の輝きが収まったと同時に、康平の体の輝きも収まる。


「これだけの力しか与えることが出来ないのか。この力だけではあの者達に対抗するのは難しい。あれだけの力を持っていたのになぜ。…ショウキンが持っている木彫りの小さな像、掌に乗せよ。」

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「さめちゃん!さっきの根付、掌に乗せろって言ってる。」


康平はいきなり喋りだしたあみにびっくりしながらゴソゴソとペンダントを掌に乗せた。


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振りかざした剣はペンダントを金色に輝かせた。


「困難がある時それを強く握りしめよ。さすれば私が力を授ける。」


「それでなんですけど、あの人たちやっつけてもらうこと出来ないんですか。」


「それは出来ぬ。私はここから離れてはならない。トキ、お前はなぜ私の姿見える?その力、昔のショウキンの姿を見ているようだ。」


「良くわかりません。中学生ぐらいの時から色々出来るようになった感じ?です。あとそのトキっていうのやめてもらえないですかね、私の名前はあみなんですけど。」


「あぁ、すまぬ。今の名はあみなのだな。今のショウキンはとても弱い。心に迷いがある、迷いを捨てよ。何も恐れることはない。迷いを捨て自分を信じろ。ショウキンは前を見て構えていればそれで良い。そうショウキンに伝えよ。」


「迷いを捨てよ…。構えてれば良い…か。」


「トキ、ショウキンのことを守ってやってくれ。またいつでも来い。」


そう伝えると不動明王は炎の中に舞い戻った。

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「そのトキって何なんだっつーの…。」

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