北部アウンガルト駅区での調査

GM:店の裏口でビンセント氏の馬車をお見送りして時刻は昼12時。



 ここで自作マップ登場。都の施設を最低限だけまとめた地図です。

https://pbs.twimg.com/media/E2KfFL-UYAMMjVS?format=jpg&name=medium



ポポ:よーし、さっそく調査に出かけよう。


ヘキサ:まずは見舞いも兼ねてエドガーに会いに行こうか。お見舞いの品買っといた方がいいかな。桃とか。


アトランタ:リンゴがオススメですわよ。実家の家紋がリンゴですの……いえ実家とか無いんですけれど。ゴホンゴホン。


ヘキサ:ま、ボクが見舞いに来ることが何よりの手土産だけどね、わっはっは。


ポポ:サンドイッチにリベンジしようかな。


GM:トドメ(笑)。果物はどこでも買えるけど、今日は中央平和公園で食福神のお祭りがあってバザールが開かれています。食べ物やお酒の屋台、青果売りも来てると思う。


アトランタ:今、魔神出てますけどね、そこ!


ポポ:様子見ついでに中央平和公園に寄っていこうか。


GM:中央区までは馬で1時間、徒歩なら2時間半の距離。


ヘキサ:めちゃくちゃ遠い。大きい都市だなぁ。


GM:列車なら環城線を東西線に乗り換えれば、30分ちょいで到着です。


アトランタ:公園までは列車で行くとして、アビスカースの関係で移動がスットロイのですよねワタクシ。(←移動力が1/2になる鈍重のダガー持ち)


ポポ:ポポのレジェンドホースは二人乗りまでなのだ。


GM:コーヒーハウスが乗馬倶楽部ライダーギルドと契約してるから、乗り物はすぐ用意できます。


ヘキサ:レンタル馬を彫像化しておこう。頼むよ、ボクのコレスバヤイネン号。


***


GM:ガタゴト列車に揺られ、緑豊かな中央平和公園駅に到着。魔神出没のウワサなど無いように青空市場が開かれ、屋台で食事をする人々の姿が見られます。他にはウリを売り歩いてる老人がいたり、警邏隊の姿がぽつぽつ。


ヘキサ:ダイヤに遅れ無し。素晴らしい! 世界がボクのために動いてるよ!


アトランタ:今のところ十分に対処はできている、ということでしょうか。


アトランタ:予定通り果物を買うとして、警邏隊にも話を聞いて見ましょう。


ポポ:そうだね。みずみずしいウリでも買っていこう。


アトランタ:リンゴ(鉄の意思)。


GM/果物売りの老人:「ウリは大玉1個20Gじゃ!」 全体的にお祭り価格。



 警備中にウリを買い食いをしている警邏隊の2人を相手に聞き込み。


 中央平和公園内では、北の水路付近でヌズマルが目撃され、初級冒険者PTに討伐された程度。公園の内部では今のところ、異常は見つかってない様子です。


 お見舞いの果物を買った3人は、馬を出して北駅区へと移動します。



***



GM:北駅区は、冒険者ギルドと学舎の街です。今日は街ゆく冒険者たちの多くがフル武装してて物々しい雰囲気。


 「あのエドガーの隊が全滅とはな」「仲間を盾にして逃げ帰ってきたって噂が」「あれ、三怪傑じゃないか?」ヒソヒソ


ポポ:ポポたち意図してるにせよ、しないにせよ目立つからね。


アトランタ:不思議ですわね。(←専用仮面の怪盗)


ヘキサ:なんでやろなぁ(赤井〇和)。しかし、随分といい空気じゃないか。




GM:エドガーが所属する大手冒険者ギルド〈智慧の鍵〉の二号棟は集合住宅アパートメントです。……エドガーが借りてる部屋前に来ると、中から唸るような嗚咽が聞こえて来ます。「なぜオレが生き残ってしまったんだ! うう、コリーヌ……」


ポポ:とりあえずノックしてみよう。ノックせずに開けると怒られるから。


GM/エドガー:「誰だ!」 すっかり憔悴しきった様子のエドガーが顔を出します。太陽のような陽気さは失われて、顔はやつれ、フード付きのマントを頭まですっぽりかぶってる。


ヘキサ:エドガー、ボクが来たぞ。


アトランタ:噂には聞いていましたが……すっかりやつれてしまいましたのね。


GM/エドガー:「あぁ、仲間を守る事が出来ず仇の『赤い魔神』も倒せなかった。なにが都一番の戦士だ。オレはただ逃げ帰った卑怯者だ……」


ポポ:んー……生き残れたのはいいことで、そんな悪く言うことでもないと思うけど。仲間たちに助けてもらって生き残れたんでしょ。


GM/エドガー:「いや、それが……(言いよどむ)。そうだな、生きてさえいれば“復讐”を果たせる。それで、聞きたいのは遺跡での出来事の事でいいんだな?」


ポポ:うん。……なんかヘンな感じって気もするけど、まあいいか。


ヘキサ:ボクらがオーブ回収の依頼を引き継いだのさ。


GM/エドガー:「そうだったのか。オレは自治組合の指示で、このあと北区の守備に付くように言われたよ……」



 エドガーは、パーティーが全滅した日の出来事を話し始めました。


 学究院でオーブの在処に関する調査を終えたエドガーたち5人の調査隊は、文献を頼りに遺跡地下を探索し、4日前、未探索地区に魔法文明時代のティダン神殿跡を発見し、オーブが存在するという聖域の最奥へと足を踏み入れたと語ります。



GM/エドガー:「聖域の奥に進み、それから……その(言い淀む)」


アトランタ:どうしましたの?


GM/エドガー:「……と、とにかく。奥には〈堕落のオーブ〉を封じた祭壇があったのだ。そして、そこに『赤くてデカい魔神』がいた! 戦いに……えっと……オレたちは負けてオーブを奪われた。それで終わりだ!」


アトランタ:いえ、あの、今明らかに何か隠しましたわよね? 別に何があっても責めはしませんから……。


GM:『赤い魔神』の話になると、彼の口数が減るのは分かります。


ヘキサ:【魅了チャーム】でも撃って口を割らせるかい?


アトランタ:人道って言葉ご存じ?(笑)


ポポ:プリースト5レベルで抵抗抜けるか分からないけど。


GM:エドガーは合計経験点ではみんなに負けるけど、8レベル冒険者。やる?


ヘキサ:じゃあだめか(笑)。それにエドガーは“家族”だ。君の怒りは君のものだが、それはボクのものでもある。この世に生きる家族を奪われたのだからね。


GM/エドガー:「すまんな、ヘキサ。今のオレは混乱しているのかもしれない……ところで、お前たちは『赤い魔神』を殺しに行くのだな?」


ポポ:そういうことになるよね。


GM/エドガー:「なら、その時はオレも連れていってくれ」


ヘキサ:む……。


GM/エドガー:「この区画の警護をこっそり抜けることになるが、仲間の仇をこの手で討ちたいのだ」


アトランタ:契約違反は冒険者にとって最大のタブー! ……と、言いたいところですが、放っておくと何をしでかすか分かりませんわね。


ポポ:んー……。『仲間の仇』って辺りに真偽判定できないかな。


GM:いいですよ、露骨に怪しいし。判定どうぞ。


一同:(ころころ)


ポポ:達成値20だよ。


GM:彼の怒りは本物で「仇を討ちたい」という言葉に嘘はない、と思えました。


ポポ:うーん……あ、これお見舞い。食べて元気出してね、とウリを置いていこう。


ヘキサ:教授も生還してるんだよね。話とか聞けたりするのかな。


アトランタ:依頼人経由でアポは貰ってましたわね。次は学院に向かいましょうか。……しかし、その前にGM! コンジャラーの魔法に使う人形買うの忘れてたことに気付きましたの。今買っていい?


GM:いいよ。ここは冒険者の店だしすぐ入手可能です。


アトランタ:わぁい。50Gもあれば買えるでしょう。3つほど買っておく。


ヘキサ:ちなみにどんな人形にしたんだい?


アトランタ:リンゴのマスコットの三兄弟ですわ。んごー。



***



GM:ハイ、こちらは同じ北駅区にある〈学究院〉。都有数の学院で、基礎教育や初級魔法の授業の他、遺跡の古代技術研究にも力を注いでます。


ポポ:無限に動くゴーレムとか研究してるやつだ。


アトランタ:うーん、馴染み深い空気。(←コンジャラー)


ヘキサ:ボクにそっくりのゴーレムとか作ってくれないかなぁ。


GM:(何に使う気だ……)受付に案内され、2Fの教授の部屋へ。ケストナー教授(人間/男/58歳)は、眼鏡をかけた神経質そうな壮年の男性です。賢人学が専門らしく、部屋にはいかにも魔法使い!というような実験物は並んでいない。


アトランタ:お忙しいところ失礼。お邪魔致しますわ。


ポポ:ポポです。


ヘキサ:ボクだ。


GM:三行で分かるPTの交渉仕事の分担比。


アトランタ:ワタクシが真面目に挨拶しているのに! いや、ワタクシが真面目に挨拶してるから、いいのかしら……。


ポポ:遺跡で見たことが聞きたくてきました!


ヘキサ:特にエドガーが濁した部分をね。


GM/ケストナー:教授の説明は、魔神に遭遇する所まではエドガーの情報とほぼ同じ。「あの『赤い魔神』はザルバード(6レベル・火を吐くレッサーデーモン)に似ていたが、強さは別物だったよ。……しかしエドガー、気の毒に」


アトランタ:すっかりやつれていましたわ。隠し事をしていたようでもあったのですが、何か心当たりはありまして?


GM/ケストナー:「隊には、コリーヌというハルーラ神官の娘がいてな。彼の意中の女性だったようだ。しかし、魔神との戦いで彼女らは無残な死を遂げ……死体も蘇生困難な有様だったため、回収を諦めての帰還となったのだ」


アトランタ:……それは確かに、思い出したくも無いことでしょうね。


ポポ:それであんなに怒ってたんだ……。


GM/ケストナー:「私の本分は賢人学と遺跡の文献解読。戦いで力になれなかったのを後悔しているよ」教授はセージ8、ソーサラーは6止まりだそうです。


ヘキサ:しかし、ますますもってエドガーを連れていくのが不安になったな。


ポポ:黙ってたら黙ってたで後々めんどそうだよ?


GM:(おや。ウソの待ち合わせを時間を教えられたり、途中で撒かれるものかと)


ポポ:こういうの、リクツとかじゃなくて『やるだけやった』って納得できるかどうかが大事なんだよね。ポポにもわかる。


ヘキサ:……ポポにそう説かれると立つ瀬がないね。


アトランタ:目の届くところに置いておく、という意味でもちゃんと連れて行った方がよさそうですわね。


GM/ケストナー:「彼の力になってやってくれ。呪物に関する文献は、この棟の修復室に保管されている。自由に調べてもらって構わない」


ポポ:あ、そうだった。その呪物……ラクダのコブ?……あれ、ナラクのオーラ?


アトランタ:〈堕落のオーブ〉ですわ(笑)。それと件の魔神を目の当たりにした教授の方から、何か魔神の性質について思い当たるところがあれば教えていただきたいところではありますが……。


GM/ケストナー:「ふむ、そうだな」



 ここでGMも先の展開をどう誘導するか考える。



GM/ケストナー:「……アレは実に狡猾こうかつな魔神だ。どのような策を用いてキミたちを騙しにかかるか分からない。とにかく、『迷わず倒しにかかるべし』。これはだからね……」


ポポ:まかせて! 難しい考えをぐちゃぐちゃにするのは、上手だってよく言われるよ!


アトランタ:ご助言感謝致しますわ。この礼は依頼の達成を以て、必ずや。


GM/ケストナー:「さて、私もこの後は出かける予定がある。帰りは深夜になるだろうし伝言があったら、弟子のアランに頼む。ではな……」


***


ヘキサ:許可も貰ったし次は文献だ。アトランタの方が得意かな? こういうのは。


ポポ:ポポにむつかしい本のことはよくわからぬ。


アトランタ:魔動機文明の物語を読むのは好きですが、学術書はさっぱりですわ!(セージ無し・アルケミスト1)


ヘキサ:ボクが読むしかないか。一番アホな動きしてるのに本は読めるぞ。


GM:地下図書館には【ライト】を灯して、写本作業中の少年に近い年齢の書生が1人。


ヘキサ:少年ショタ!(食いつき) 彼が弟子のアラン君だね。


アトランタ:教授から許可をもらってきたことを話しますわ。


GM/アラン:「件のオーブに関する発掘文献は、これで全部です」修復室にご案内。テーブル上には、バラバラになった古文書の頁が数十枚。情報探すなら文献判定です。


ポポ:GM、アランくんに手伝ってもらってボーナスとか貰えないかな!


GM:判定に参加してもらうくらいなら可能。人間・セージ3(基準値6)です。


アトランタ:ワタクシの基準値5より上ですわ。(ころころ)9。さっぱりですわ!


ポポ:がんばれアランくん。ダイス代理で(ころころ)達成値11。


ヘキサ:(ころころ)低い、ボクも11。アラン君レベルじゃないか!


GM:まぁ、その達成値なら指輪破壊で……あっ。


ヘキサ:どうしたんだい、GM?


GM:ヘキサのキャラシ見たら魔法文明語の読文がなかった。……よ、読めねぇ。ドワーフ語とかグラスランナー語の会話は持ってるのに!?


ヘキサ:他種族と心を通わすのは大切かなって(笑)。


GM:おぅ……(確認不足だった。まぁ、市中シティだしコネとお金で解決してもらお)。ここはアラン君が[運命変転]して達成値14で最低目標値を抜いてくれます。「文献修復の作業はボクも手伝ったので、えへへ」


アトランタ:有能。やっぱり人間がナンバーワンですわ!(笑)


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

●発掘文献の情報

 かつてこの地には、残酷にして高貴なるエルフの魔法王が治める国が存在した。


 魔法文明――それは強大な魔法貴族同士が争いを繰り広げた戦乱の時代。貴族たちは、より強力な魔力を求め、末期には魔界の力にまで手を出した。


 高貴なるエルフの魔法王も、魔界の力に魅了された一人。彼は強大な魔力を得るため、臣下の肉体を依り代に魔神将アークデーモンを召喚した。……魔法文明の終焉期、支配から解き放たれたこの魔神将は、〈聖剣〉を携えた魔法戦士によって討たれるまでに、多くの破壊を振り向いたという……。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

●文献の挿絵

・挿絵A『魔術師が〈黒いオーブ〉を手にし“赤い魔神”に変貌する図』


・挿絵B『“赤い魔神”が街を破壊してゆく図』


・挿絵C『〈ティダンの聖印が刻まれた白い剣〉を手に“赤い魔神”と戦う戦士の図』


・挿絵D『ティダンの聖印が刻まれた大扉が神官たちの手で閉じられる図』

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ヘキサ:魔神を倒す勇者! ボクも『両面勇者録』として本を残したいな……冒険作家を雇うか。(一番格好よく本を読んでるように見えるポーズを探っている)こうか、こっちか?(高速で足を組みかえている)


GM:PT唯一のセージ……。挿絵Dを最後に文献は終わっています。


アトランタ:魔法王の遺物とは……これはまた、大物ですわね。


GM:キングスレイ共和国は古代魔法文明の終わりに、民衆が激怒げきどして邪知暴虐じゃちぼうぎゃくの魔法王を弑して興った国です。キング・スレイ(King Slay)。国名の由来になるくらい非道な魔法王がいただけあって、負の遺産も色々見つかるってワケ。



 ……大陸中に線路を広げている大国だから、「王たちの光条(King's Ray)」みたいな意味かと思ってた。物騒な国名。



ポポ:んー、この剣どっかで見たことない?


ヘキサ:ボクの剣じゃないね。


ポポ:それは知ってる(真顔)。


アトランタ:エドガーの剣が、これと真逆の黒いティダンの剣でしたわね。


GM/アラン:「(ここで黒い剣について触れるなら)黒い剣? たしか、修復作業中に“黒い剣の挿絵”も見かけたような気が」


アトランタ:えっ、黒い剣の絵もあるんですの?


GM/アラン:「C~Dの間にもう1枚、黒い剣を手にした戦士が魔神を倒してる絵があったような」


ヘキサ:それを出したまえよ!


GM:でもこの場にあるオーブ関係の挿絵は4頁だけ。


ヘキサ:その辺に落ちてないかな。


ポポ:まさか捨てちゃったとか? ポポだったら捨てちゃうかもだけど。


GM/アラン:「まさか、魔法文明時代の本の断片ですよ。破損しないよう慎重に扱ってます。ボクのせいだなんて教授に勘違いさせないでくださいよね」


アトランタ:むむ。ここの入館記録があるなら確認しますわ。



 修復室によく出入りしているのは、ケストナー教授とアラン。それと今から二週間前に、4人の冒険者がこの書庫を訪れているのを発見。名前は「エドガー」「ウェイン」「ラキオ」「コリーヌ」。彼らがやってくる前日にはまだ問題の挿絵のページはあった気がする、とアランは証言します。



アトランタ:やっぱり、彼らも探索前にこの文献を調べている……となると。


ヘキサ:エドガーがかなり怪しいと思うよボクは。彼が変な気起こす前に、もう一度話を聞くべきだ。


ポポ:愛用の黒い剣も気になったしね。文献と違ってエドガーくんは歩きまわる。



 このあたりで一度、気分転換に北駅区に出没した魔神とのバトルを挟もうかと思いましたが、PCたちの考察が勢いづいている様子なので後回し。再びエドガーの家に向かいます。

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