2.Connected - Powdery Blue
1章/
( 君の傷から噴き出した彼らの姿を
見てしまった君へ )
君は見たことがあるんだろ 行ってきたことがあるんだろ
「 YukiGa, Mitai. 」と言っていた
「 Mata, Raisede. 」と笑っていた
涙さえ
引っ込むほどの衝撃だったじゃないか
君の歩かされた道、また、道…
どれをとっても、 君へと繋がってきたのだね
泥を詰め込むやからなど
私にはどうでもいい
何故なら
それを電話越しで語る君が 確かにまだ生きているのだと
知ったから
それがつまり君を
生かしているということの本質なら
私は謎を解き続けるために 毒を飲むくらいは
造作もないというのだ
その傷は君に何かを教え続けた、だろ
そら五月蝿いくらいに…「俺たちを見ろ」と
2章/
青が暮れてゆく
ただでさえ
わたしは目の奥、青が焼けるのをとめられない
反転したネガの向こうに
蒼穹は留めて置けないのに
うたかたに告げる間もなく始めてしまった悪あがき
きっと失われてしまう、だから
差し込む紫外線にじりじりと朽ちる青の姿を
記憶に留めたかったか、早送りしたかったんだろう
きみが置いていった形見の色は
鮮やかに息を吹き返し
生まれ変わる青は錯覚
だからこそ
比類ない輝きで私をまた錯覚へ陥れるのだとしても、 繰り返しそこへ連れて行ってほしいと思う
私の中でただ美しい影として透き通ったひとかけらの青は
もうここには居ないね
追いかけるほどにゆれていたきみの裾、
( 蜃気楼 ))
掴めるほど近くても
すり抜けるくらいの力でしか
引き止めて置けなかった、いつも
君が置いていった形見の色で
鮮やかに息を吹き返す色があったとしても
私はそこへ戻れないことに気がついていた
トバリで失った空間の片隅が
断絶して、されて、君に届くことができない
晴れ
枯れているのに空は眩しい水色で
君が本当にそこへ還ったような気がしてた
( Powdery Blue. )
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