10.フリーマン大佐救出作戦
共和国から突如現れた竜によって帝国は壊滅の危機へと追い込まれていた。
勝利を盲信した兵士たちは、今はもうどこにもいない。
それでも、帝国に、少女に希望をもたらすために、君たちはネプトゥル前哨基地へと足を運んだ。
[ネプトゥル前哨基地 近辺の森]
リック:「木の上から見てきたけど…今まさに戦闘中みたいだ!」
軽い身のこなしでリックが枝を伝って降りてくる。
シノ:「…オレたちから見た基地と敵の位置関係は?」
リック:「俺たちから見て正面…というか、ここ、そもそも道的には一本道なんだよ。峡谷の関係でさ」
「だから、相手は正面から突っ込んできてるな」
シノ:「…急いだほうが良さそうだな」
ノブナガ:『敵の数は? リック、お前なら数えられるだろう』
リック:「30いないくらいだったぜ、そのうち魔法を使ってるやつは一人だったけど…あれは妖精魔法だったとおもうな」
ジャンヌ:「偵察お疲れ様。リック」
マーキュリー:「妖精魔法…厄介な相手になりそうね」
リック:「あの様子じゃ陥落するのも時間の問題だ…シノの言う通り早く行った方がいいかもしれないな…!」
マーキュリー:「全く、言われなくてもそうするっての」
エックス:「おう、行くぞお前ら! 出撃だ!」
フリーマン:「ったく…バカでかいトカゲが目を覚ましてから急に元気になっちまって…思春期の男子かよ!」
「…もうあと少しで増援が到着する! それも"青の花"だ! 全力で耐え抜けよ! お前ら!!」
兵士たちの雄たけびが戦場に響き渡る。
大地が揺れ動くような感覚を覚える中、君たちはたどり着いた。
ジャンヌ:「神よ。ボクらをお守りください」
ジャンヌが神聖魔法を仲間に行使すると同時に、あらかじめマギスフィアを魔動バイクに変形させていたシノがフリーマン大佐のもとへと走る。
数秒遅れてエックスもそれを追いかける。
フリーマン:「おっ、"青の花"か! 助かるぜ!」
フリーマン大佐が君たちの勲章を見て、頼もしそうに言い放つ。
フリーマン:「とっととこんなところからずらかっちまおう! 帝都で俺を待っている女の子がいっぱいいるんでね」
フリーマン大佐は冗談を言いながらも手際よく兵士たちを撤退させていく。
シノ:「…オレは"青の花"のシノと言います。フリーマン大佐ですね? お迎えに上がりました。どうぞこちらに…」
フリーマン:「エスコート、よろしく頼むぜ?」
シノ:「…了解しました」
その時、初夏の風が戦場に吹き荒れる。
地上にいくつかの影が走った。
その影は小さいながらも翼が生えており、空を見上げて"竜"であると認識するまで時間はかからなかった。
フリーマン:「"緑風"の連中か…随分と早く来ちまってまぁ…」
シノたちの退路を塞ぐかのように、共和国の"緑風部隊"が立ちはだかる。
緑風部隊はリルドラケンのみで構成された部隊で、これまでに幾度となく帝国の前に大きな壁として立ちはだかってきた。
その壁を今、君たちは越えなければならない。
目の前に現れた竜は、ペルセム街道で見たあの竜のように大きなものに感じた。
エックス:「あれ…? シノ、あれ見て見ろよ! なんかいるぞ!」
シノ:「…リーダー、大佐はお迎えしたぜ。…って、なんだよありゃ」
エックス:「上から降って来た」
ジャンヌ:「大変です。分断されました!」
シノ:「乗れ! リーダー!」
敵兵は君たちを逃がすまいと妖精魔法【サモンフェアリー】を行使し、炎の妖精を現出させる。
妖精が君たちの動きを阻もうとするも、シノの巧みなバイク操縦により、その手が届くことはなかった。
エックス:「よし、行くぞ!」
シノ:「…待たせたな、お前ら」
マーキュリー:「やるじゃない」
クアム:「バイクって…凄いな」
ジャンヌ:「まだ山道を抜けたわけじゃない、急ごう!」
[ネプトゥル要塞 山道]
フリーマン:「急げ! 生きたい奴は死ぬ気で走れ!」
フリーマン大佐が兵士たちに檄を飛ばした。
君たちとフリーマン大佐、そして大勢の兵士たちはネプトゥル前哨基地から脱出しようと走りつづける。
山の中腹に差し掛かかり、フリーマン大佐はホルスターから銃を引き抜く。
近くにある岩場に照準を定めながら、山全体に響くような声で告げる。
フリーマン:「さて…時間切れだ! 吹っ飛ばされないように気をつけろよ!」
弾丸が放たれる。
それが着弾すると、轟音と共に爆発が巻き起こった。
その衝撃たるや何かを掴んでいなければ立っていられない程だ。
目の前の惨状から、すぐに何が起こったかを察する。
岩場はもともと仕掛けてあった爆薬で崩れ去り、追いかけてきた共和国の兵士や、逃げ出そうとした帝国の兵士を下敷きにして道を塞ぐ。
らびっと:「おいおい正気かよ…」
シノ:「……」
クアム:「んなっ…もろとも……」
エックス:「後ろにまだ味方もいたんだがな…どの道追いつかれちまうし、遅かれ早かれってところだったけどよ…」
ジャンヌ:「うーん…まぁ、効果的ではあるのはわかるんですが…普通やりませんよね…こういうことって」
らびっと:「まーしゃーねーか。何かを犠牲なしではやっていけないからな!」
ノブナガ:「……」
フリーマン:「残念だが、あれ以上は無理だ。そもそも俺が捕まっちまったら、お前らがここに来た意味も無くなっちまうしな」
銃をホルスターに戻しながら続ける。
フリーマン:「俺はこれから帝都に帰ってしっかり自分の役割を果たす。今死んだ奴らより多くの人間を救う」
「これは"個"を切り捨てて"全"を見た結果だ」
「人々が求める"英雄"になるってことは、こういうことなんだぜ? 若人よ」
マーキュリー:「ええ、承知の上です」
クアム:「……」
シノはその言葉を背にバイクを走らせ続ける。
マーキュリー:「流石です。退路の準備まで…」
ジャンヌ:「…効率的なのは理解は出来ます。ですが…ここまでする必要は…」
シノ:「ジャンヌ! 大佐に対して無礼だぞ!」
フリーマン:「いやいや、これも全部"共和国の仕業"だぜ?」
ジャンヌ:「でも、まだ救える命があったのに…!」
エックス:「…切り捨てなきゃいけない人が出ないくらいまで強くなりたいもんだぜ」
「エーユーを超えるダイエーユーの道は険しいな」
彼の言う"全"というものには、きっと彼自身という"個"は含まれていないのだろう。
自分はもう"英雄"という人々の象徴であり"英雄"とは"全"でなければいけないと言いたげな、そんな皮肉めいた笑顔を浮かべて、フリーマン大佐が君たちに語りかける。
マーキュリー:「落ち着きなさい。ジャンヌ。シノ。吉報はきれいな方がいいでしょう?」
ジャンヌ:「…」
マーキュリー:「大佐、話に割り込んでしまい申し訳ございませんでした。たしかに共和国が戦争しなければこんな悲劇は生まれないですね」
フリーマン:「そういうこと、それじゃあ帝都に向かいますか、"若き英雄"さん?」
マーキュリー:「ええ、女の子が待ってますしね」
先を行く彼の背中は、遠く遠く、君たちがすぐには追いつけるものではなかった。
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[成長]
PC1
エックス/冒険者Lv7
HP:34/MP:14
シューター7Lv
スカウト3Lv
エンハンサー1Lv
アルケミスト1Lv
戦闘特技
《ターゲティング》
《狙撃》
《武器習熟A/ボウ》
《射手の体術》
錬技
【キャッツアイ】
賦術
【クリティカルレイ】
武器:ファストボウ
防具:スプリントアーマー
PC2
ノブナガ/冒険者Lv5
HP:40/MP:25
ファイター5Lv
コンジャラー2Lv
エンハンサー1Lv
ライダー5Lv
戦闘特技
《武器習熟A/スピア》
《両手利き》
《武器習熟S/スピア》
錬技
【キャッツアイ】
騎芸
【高所攻撃】
【チャージ】
【騎獣強化】
【以心伝心】
【人馬一体】
武器:ノーマルランス×2
防具:プレートアーマー
騎獣:ドンダウレス
PC3
ジャンヌ/冒険者Lv7
HP:39/MP:35
プリースト7Lv
ファイター2Lv
エンハンサー1Lv
アルケミスト1Lv
戦闘特技
《魔法拡大/数》
《魔法拡大/すべて》
《MP軽減/プリースト》
《ターゲティング》
錬技
【ビートルスキン】
賦術
【バークメイル】
武器:ヘビーメイス
防具:プレートアーマー、タワーシールド
PC4
マーキュリー/冒険者Lv6
HP:34/MP:33
シューター6Lv
マギテック5Lv
セージ2Lv
エンハンサー1Lv
戦闘特技
《ターゲティング》
《武器習熟A/ガン》
《両手利き》
錬技
【キャッツアイ】
武器:ジェザイル、デリンジャー×2
防具:ソフトレザー
PC5
シノ/冒険者Lv7
HP:35/MP:24
シューター7Lv
マギテック2Lv
スカウト1Lv
エンハンサー1Lv
戦闘特技
《ターゲティング》
《狙撃》
《鷹の目》
《牽制攻撃》
錬技
【キャッツアイ】
武器:ジェザイル
防具:クロースアーマー
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