第44話 アルフェッカ&プレアデス その②

   飛び交う銃声。爆弾の破裂する音。 

   塹壕で身を寄せ合う兵士が二人。


《アルフェッカ》 (頭を庇いながら)隊長、どうやら味方はわたし達だけになったようデスー。敵の攻撃は激しさを増すばかり。ここはもう駄目デス。ワタクシが囮になりますので、お逃げくだサイ。隊長が健在なら、我が小隊は何度でもやり直せマス!


《プレアデス》 げげげfjかlhえカヤローッ! (と、アルフェッカの頬を平手打ちする)


《アルフェッカ》 な、何をするんデスカ!?


《プレアデス》 げげげかhふへふふぁうfはkjhふ。(と、アルフェッカの頭の上を指さす)


《アルフェッカ》 こ、これは生まれたばかりの娘が、戦地へと赴くワタクシのために作ってくれた髪飾り……。


《プレアデス》 げげげ。


《アルフェッカ》 た、隊長……。


   プレアデス、匍匐前進で前へ。 

   (SE・銃声)プレアデス、後方に

   倒れる。


《アルフェッカ》 隊長ー!!


   アルフェッカ、プレアデスの元に駆け

   寄る。


《アルフェッカ》 (プレアデスを抱き起こし)さ、さすがデス。隊長! 脳天直撃なのにまだ生きてるなんて……。


《プレアデス》 げげげ……。


《アルフェッカ》 はっ、遺言デスね。でも、ここには紙も鉛筆もない……分かりました! ワタクシが隊長の遺言を覚えて、必ずや故郷まで生きて帰りマス!


《プレアデス》 げげげ……。(と、アルフェッカの手を握る)


《アルフェッカ》 では、隊長。どうぞ。


《プレアデス》 げげげあがdあふぁ砂肝sdふぁかえっやや田あhじあjぎあおひあhがレバ刺しがt……。


《アルフェッカ》 げげげ……えー、すみまセン、隊長。もう一度、最初からお願いできマスカ?


《プレアデス》 げげげあがdあふぁあvrsd鳥からふぁっかえっやああ田あhじあjぎおあひおh……。


《アルフェッカ》 ゲゲゲの鬼◯郎、カッケー? ……すみまセン。ワタクシが不甲斐ないばかりに、隊長の言ってることがさっぱり分かりまセン! 実は、出会った時からそうデシタ!


《プレアデス》 げげげ……ガクッ。


《アルフェッカ》 隊長ーっ!! (と、プレアデスを抱き抱える)


《プレアデス》 げげげあkjh令和ikげらhらここはkやえっ!


《アルフェッカ》 あっ、すみまセン。一度、やってみたかったんデスー。だって、隊長はエイリアンなんだから、このくらいで死ぬハズないデスもんー。


《プレアデス》 げげげ。


   (SE・銃声)アルフェッカ、後方

   に倒れる。


《プレアデス》 (アルフェッカを抱き起こして)げげげvじゃbrhfjbじゃbr。


《アルフェッカ》 ……頭を撃たれました。ワタクシは、隊長とは違って自称宇宙人のただの電波女なのでもうダメデス……。隊長、どうかワタクシの最後の言葉を故郷で待つ娘に……。


《プレアデス》 げげげ。(と、紙と鉛筆を取り出す)


《アルフェッカ》 なんだ、隊長。良いものを持ってるじゃないデスカ……。じゃあ、よろしくお願いしマス。


《プレアデス》 げげげ。


《アルフェッカ》 ……娘へ。可愛い髪飾りをありがとう。戦場では嫌になるくらいに目立ち、恰好の標的になりまシタ。それでも、ワタクシの生来のへたれ気質のため、ここまで生き延びることができましたが……お別れデス。あなたが生まれてから、すぐに家を出て行ったパパのことを恨んじゃダメデス。あの人もワタクシたちの故郷のため、戦場で戦っているのデスから……、勇敢な隊長として。以上デス。上手く書けましタカ? ちょっと見せてくだサイ。


《プレアデス》 げげげvjkbbへgれあbhbh……。(むせび泣きながら紙を見せる)


《アルフェッカ》 ちょっ……! 『げげげ』ばっかりで、何て書いてあるか全然分からないじゃないデスカーって、ツッコむつもりだったのに……なんて、綺麗な字。そうデシタ、隊長は字はお上手なんデシタね。


《プレアデス》 げげげ。


《アルフェッカ》 では、娘をよろしくお願いしマス……ガクッ。


《プレアデス》 電波女ーっ!!


《アルフェッカ》 誰が電波女じゃっ!? ていうか隊長、ちゃんと喋れるんじゃないデスカ! (と、プレアデスの頭をはたく)


《プレアデス》 げげげ。


 本来なら、ここでわたし達の出番は終わりなのだが、

「何をしてんの? 早くしろ、この鈍ガメ」

 と、ウサコの目が


《アルフェッカ》 つ、続きマシテー、プレアデスくんによる野球ものまねのコーナー! いぇーいっ、ひゅーどんどん! ぱふぱふ! 阪神タイガースのサンズ選手!


《プレアデス》 (マネージャーからプラスチック製のバットを受け取り)てーてれててーてーサンズー。てーれててーてーサンズー、サンズゥー!! (と、アルフェッカの尻をめがけてフルスイングをする)


《アルフェッカ》 いっっったあああああ!


   アルフェッカ、ふらふらと這いつくば

   る。


《アルフェッカ》 こ、これでワタクシ達のギャラが半分ずつなんて、おかしいじゃないデスカ? プレアデスくんなんか奇声を上げてるだけじゃないデスカ……。


《プレアデス》 電波女ーっ!! (と、アルフェッカを抱き抱えて、顔を撫で回す)


《アルフェッカ》 ぶへっ……やめて、ふべらっ。だ、誰が電波女じゃ? それしか、ちゃんと喋れないんデスカ!?


《プレアデス》 やめさせてもらうわ。


《アルフェッカ&プレアデス》 どうもー、ありがとうございましたー。 


   アルフェッカとプレアデス、退場。

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