第3話 知識の活用と積みあがる財

 カリカリカリカリ


「で、いくら儲かったんだ?」

「父上がそれを聞きますか?」


 父上の執務室で書類のチェックをしていると暇になったのか聞かれる。


「いいだろう?聞いて何が変わるではないし」

「……全部で金貨1200枚になりました」


 バーリー商会の提案はオークションだった。


 値段がつけられない以上は取り分の分配という形式にするしかなく、いったんバーリー商会がアメトリンを装飾し、その後バーリー商会から有名なオークション会場に出品することになった。


 取り分に関してはオークション価格が500枚以下の場合は一割をバーリー商会に、もしそれ以上なら金貨50枚を渡す契約になっている。


「肝心の目玉商品は金貨800枚になりました」

「ほぉ~」


 平民の平均年収が大体金貨二、三枚なのでどれくらい稼いでいるのかは一目で理解できる。


「それより、母上の容態は?」


 母上は二か月前に妊娠が発覚したため、今はほとんど屋敷から出ることがない。


「良い……………とは言い切れないな」


 今は夏の真っ最中、しかもここ数日は猛暑が続き体調を崩しやすい。


(確か妊婦は熱中症になりやすいのだったか?…………)


 前世の知識から考えると少し心配だった。


「ば、バアル?できればこれもお願いできないかな?」

「俺の分は終わったので失礼します」


 俺の目の前の書類が無くなったのを見計らって、父上が追加で仕事を頼んできたが、容赦なく断る。


(………やっぱり効率的なのはあれだな)


 部屋を出ると、手の空いている文官にある物を手配する様に指示を出す。
















 数日後には手配したものが届き、すでに物は完成させたのだが。


「しかしどうするか………」


 机の上に置いてあるのは縦20cm横120cm奥行30cmの白い機械だ。一見するとそれで完成しているようにも見えるが、一番重要な部分が未完成のままだった


(必要な物や鉱物はすべてそろったが……肝心の動力がない)


 作ったのは前世で夏の必需品、クーラーなのだが肝心の動力源がない。


(電気……は、この世界に通っているはずがない)


 前世じゃあるまいし、この電気が通っているはずがない。そして動力源が無ければ当然作動する訳もなかった。


「さて、何を使うべきか」


 部屋にいても良案は思いつかないので、少し外に出ることにした。










「『炎砲フレイム』」

「『水壁ウォーターウォル』」


 屋敷を出て、街を歩いていると、ふと兵士の訓練場の近くを通る。


 少し様子を見てみるとちょうど訓練場では魔法の模擬戦が行われていた。


(魔法か…………魔法で電気を生み出して使うか?……………だめだな、それだとずっとそばにいることになる)


 魔法を使って電気を起こしながら機械を動かし続ける。たとえるなら自転車のタイヤで扇風機を動かしているようなもので意味がない。


(蓄電池を作ってみるか?)


 それなら問題なく使えるとは思うが、これでは発電機が必要になってくる。そして発電機を作ったら、今度は発電機を動かすための動力を用意しなければいけなくなる。


「おい!『魔法杖』はズルいだろ!」

「そういうなよ、剣士が自分の剣を買うようなものだろう?」


(……アレがあるか)


 案が思いついたので必要な物を街で買い漁るとすぐさま専用の部屋に戻る。














 アイディアを貰った数日後、試行錯誤を繰り返し、ようやく目的の物を作り出すことができた。


「はぁ~~~~涼し~~~~~~~~~」

「父上、急がないと仕事が晩餐までに間に合いません」


 父上が今いるのは執務室に設置したばかりのクーラーの前だ。


「しかし、こんなのよく作れたな?」

「ええ、いろいろ考えましたよ」


 原理については前世のクーラーをそのまま流用しているのでそこまで難しいものではない。


「母上の容態はどうだ?」


 給仕を行っている侍女に母上の容態を確かめる。


「はい、以前よりも良くなられております」

「そうか、ちなみにだがあれをお前たちの部屋に設置してほしいか?」

「できるのであれば、ぜひ!!」


 侍女の様子から本当に欲しがっているのがわかる。


「使い心地は?」

「はい!まさに夢のような道具ですよ!便利ですし、魔力があれば誰にでも使えますから!」


 俺がアイディアを貰った『魔法杖』は、魔力をためることができる『魔石』というものを使用している。これがあれば魔力がない状態でも魔力を流すことができ、事前に準備しておけばこれだけで魔法が発動可能だ。


 魔力を事前に『魔石』に蓄えると、魔力が尽きるまで電気を生み出すように細工をすれば一定間隔で魔力を籠めるだけで長く使える機械、『魔道具』が完成する。


「バアル」


 クーラーの前からやってきた父上が声をかけてくる。


「なんですか?」

「これを売り出そう」








 それからはトントン拍子で物事が進む。


 まずは俺専用の工房が用意されることになったのだが、防犯面もかねて屋敷の庭を拡張して、そこに作る。


 その次に商会を立ち上げるために、手の空いている親族や信頼できる文官から従業員を集めて、『商業ギルド』に俺の名義で『イドラ商会』を登録することになった。


 そして父上の伝手を使い、建物や仕入れ、販路を選定し終えると、ようやく街に『イドラ商会』の第一号店を建てられる。


 ほかにも、嬉しいことに双子の弟と妹が無事に生まれた。













「今日の分は終了か」


 いつも通り、自分の工房で作業を終える。


 体育館ほどある工房には数々の大掛かりな機械や細かい作業をさせるためのアームが数十個も置かれている。


「さて、と」


 目の前のアームがコンベヤへと物を移し、続々と『魔道具』が運ばれ、倉庫の方に荷物が送られていく。


(あとは『イドラ商会』の馬車が来るだけだな)


 イドラ商会を立ち上げてから三年が経つ頃には本格的な生産体制を確立させることに成功していた。それも原料を放り込むだけであとは勝手に『魔道具』の生産ができる。


 イドラ商会が発注していた原料を工房の横に繋げるように建てた倉庫に入れると、工房で一定の操作を行うだけで全自動で『魔道具』仕上げてくれる。これによりいちいち汗水流して作業する必要がなくなった。


 これらは前世の知恵の賜物で、工房には俺一人でも十分となり、一定時間工房にいるだけで済む。


 あとは受け取る馬車を待つだけとなりで、そのあとは暇になる。


(遊びにでも行くか)










「バアル様、用事は済みましたか?」


 工房を出ると、扉の横に待機している騎士に話しかけられる。


「ああ、それと、これから外に出るぞ」

「…え?今からですか?」

「そうだ」


 でないと父上に強制的に仕事をやらされそうだ。ならば今すぐ何かにつけて遊びに行った方がいい。


(っと、それなら)


 直接門へ向かわず、従業員用の離れに訪れる。


「ギルベルトはいるか?」


 離れの中を進み、訪れたのは二つ上の庭師見習のギルベルトの部屋だ。


「あれ?バアル様どうしました?」

「今暇か?なら以前話していた、店に案内しろ」

「……………案内いたしましょう。バアル様の言葉なら親方も文句言えないはず」

(最後の部分は思っていても言葉に出すべきではないが)


 おそらく何かの頼まれごとをされているのだが俺をダシにサボろうという魂胆なのだろう。だが結局怒られるのはこいつなので、そこは関与しない。


「では、準備をするので少々お待ちください」


 ということで準備が終わるまで扉の前まで待つ。


「すまんな、ラインハルト」


 いま隣にいる騎士はラインハルト・ガルリオ


 三年前からの専属護衛騎士だ。実はイドラ商会を立ち上げてから製法を盗もうとしたのか怪しい人物が見え隠れしたため、父上が騎士の中でも若い腕利きを手配してくれた。


「いえ、中で何をやっているかわからない時よりはよほど楽ですよ」

「それは我慢しろ」


 機密保持のため工房に入れるのは俺と父上しかいない。


 護衛としては中に入っているときは不安で仕方ないのだろう。


「お待たせしました」


 ギルベルトの準備が終わるとようやく街に出かけようと門へと向かうが。










 ムッス~~~~~×2


「「「……………」」」


 門へ向かって歩いていると目の前に頬を膨らませた可愛らしい妨害者が現れた。


「「にぃにどこいくの!」」


 現れたのは俺と同じ特徴をしている弟のアルベールと妹のシルヴァだった。


「どうしたんだ、二人とも?」

「「……………」」


 屈んで問いかけるが二人からは非難する視線しか返ってこない。


「あ!?」


 ギルベルトが何かを思い出した声を漏らす。


「……」

「やれ、ラインハルト」

「了解です」

「わ!?話します話しますよ」


 ラインハルトが尋問しようと近寄ると素直に吐き始める。


 それで判明したのが


「二人を町に連れていくと約束したわけか………」

「へ、へぇ、すいません」


 過程はこうだ、ギルベルトが庭の手入れをしながら親方の愚痴をこぼしていると、いつの間にかそばに二人がいた。下手をすれば二人の口から漏れ出る可能性がある、そこでとっさに話題を逸らし街について楽しそうなことを多くしゃべってしまった。それを聞けば幼い二人の行動はどうなるかというと、当然連れて行ってとねだるわけで、普通は断るのにこのギルベルトバカは話題を逸らすことに必死で承諾してしまった。仮にも貴族の位が二番目の公爵家の子供に対してだ。


「ラインハルト、何人かメイドを呼んできてくれ」

「りょうか「「いや!!」」」


 仕方ないと思い、メイドに引き渡そうとするが二人が足にしがみつき嫌がる。


「いや、でもな」

「つれてってにぃに」

「おとなしくするから」

「……………どうすればいいと思う?」


 ここで問答無用でメイドに渡してもいいが、子供のだだを甘く見てはいけない、断った日には仕事中まで引っ付きわがままを突き通すのだ。


 ちなみに父上も犠牲になった一人だ。


「俺は別にいいと思いますよ」

「「じる!」」

「俺は反対です、せめて護衛をあと数人つけるべきですよ」

「「はる、きらい!」」

「ぐっ!?」


 幼い二人の言葉でラインハルトは心にダメージを負った。


「しかし、護衛をな……手配すれば確実に母上に伝わるか」


 母上はかなりの過保護で五歳になるまで屋敷の外に出すことは絶対にしない。


 なにせ実例があるのだから。


(あの時の過保護ぶりが健在ならまず無理だな)


 俺が四歳のころ一人で街に行こうとするとどこからともなく母上が現れて部屋に戻された。もちろん誰にも何も言ってないのにだ。


「ですが安全に行こうとするならこの人数では」

「なんだ?期待の騎士様は、たった四人も守ることはできないのか?」

「なんだと!できないわけがないだろう」


(意外だ、ラインハルトの沸点は低いのか)


 ギルベルトの口車に乗り口を滑らせたのがわかったのか、口に手を当て、二人を見る。


「じゃあ問題ないな~」

「「ないな~」」

「で、ですが」

「「だめ?」」

「うっ」


 二人のおねだりにラインハルトは折れてしまった。


「それでどこから出るんですか?門の方は門番がいますよ?」


 当然ながら屋敷の門番に見つかれば即母上に連絡がいく、下手すればすでに門で待ち構えている可能性すらある。


 なので


「抜け道を使う」

「え?」






 それからアルベールとシルヴァを連れて工房のそばの壁までやってくる。


「ここですか?」

「ああ、少し待て」


 倉庫を建てるために拡張した屋敷を囲う壁の一部に触る。


「ここには少し細工があってな」


 俺が壁に手を当てると一部の壁が変形して人が通れるくらいの穴ができる。


「これは……」

「ほら呆けてないで行くぞ」


 呆けているラインハルトを先に通し、外に出る。


「なんてものを作っているんですか……」


 いざという時の脱出口、の用途も含んでいるが、どちらかというと気軽に外に出たい時に使う用だった。


 工房を作る際に職人たちに頼み込んで細工をさせてもらった。もちろん仕掛けに関しては俺自身が作成しており、職人たちでさえも何があるかは知らない。


「まぁいい、それよりも行くぞ」


 俺はそのまま市街地に入り、ある商店に入る。


「これはこれはバアル様」

「久しいな、支配人」


 ここはイドラ商会本部だ。商会発足時に父上が建てた建物なのだが、発足当初は大商会並の大きさを想定して建てていて、がらんどうもいいところだった。だが今となればもう少し大きめに作っておいた方がいいとも思ったりする。年々売り上げが伸びているので、近いうちに改修が入るかもしれない。


 そんな建物の一番上の部屋に支配人室はあった。


「それで今回の要件は何でしょうか?」

「目立たない服を俺とこの二人に用意してもらいたい」

「服でございますか?」

「町を回りたいのだが、この服では目立つ」

「わかりました少々お待ちください」


 支配人は店の者に目立たない服を買ってくるように命令した。


 ここ数年で俺の認知度が向上した、だからわかりやすい服装で出歩くとすぐさま騎士が飛んでくる。そうなれば当然無断で出歩いたことがばれてしまう。


「じゃあ、その間に報告を聞こう」

「はい、まず店の状況は盛況です。魔道具が入った瞬間に売れていく状態ですね、それで次の入荷の話ですが…」

「魔道具は生産中だ、それが終わるまでに次はどの魔道具が売れそうなのかリストを作ってくれ」


 支配人の話にある通り、現在イドラ商会製魔道具は王国内で売れに売れている。家庭用からライフラインなどに関する物も幅広く手掛けており、貴族はもちろんある程度余裕がある平民すら離れた町にわざわざ足を運ぶほどだ。しかも動力源も自身の魔力だけで済み、手軽さはどの商会の商品にも負けない。


「わかりました、では後日公爵家に届けさせてもらいます…………………それともう一つだけ」


 支配人は言おうかどうか迷いながら、報告してくれる。


「最近、イドラ商会に圧力をかけてくる貴族や商会がございますのでご注意ください」

「わかっている。そのための仕掛け・・・も、もちろんしている」

「さ、さようですか」


 支配人と会話をしているとドアがノックされる。


「バアル様、服が届きました」

「ご苦労。何かあったら知らせろ」

「かしこまりました」


 商会の一室を借りて、俺と二人は服を着替えると街に繰り出す。


「バアル様これからどうするので?」

「とりあえず露店でも回る」


 俺は屋台や古物商、食べ物、鉄や武具などを見て回る。


(……………無事に動いているな)


 その中で特に注目しているのは通りに不自然なく設置されている街灯だ。


 通常は火回りという、いちいち夜に徘徊しながら松明を灯していく仕事が必要なのだが。魔道具ができたことにより不要になった。


 そしてこれにはほかにも重要な役割がある。


 当然だが魔道具を動かすにはエネルギーが必要になる。そのエネルギーというのはもちろん魔力の事だ。では今度は、その魔力はどこから集めているのかという疑問が出てくる。


 個人ですべてを賄うというのは無理、そんなことをしたら工房を数秒動かせてようやくといったところだ。ではどうしているのか、その答え自体も魔道具に存在していた。


 魔道具には必ず魔石が備わっており、使う際はどうしても魔力を込める必要がある。そしてこの籠めるタイミングで一つの工夫がある。実は魔石に魔力を籠める際にその一割を別に貯蔵している。そしてその分が一定量を超えたら自動的に道中にある魔道具を経由して工房に設置されている魔石に送られる。


 これにより、魔道具が広まれば広まるほど工房に魔力が送られてくる。また魔道具の使用をやめない限りは半永久的な魔力供給も可能になっていた。


(ただその影響で設置してある魔石が大きくなったんだよな…………)


 魔石についてはわかっている部分は少なく、なぜだか2メートルほどの岩のようになっていた。


「バアル様、あそこがおいしい料理を出す店です」


 ギルベルトの指し示す店はにぎわっており、おいしそうなにおいが漂ってくる。


「じゃあ、ギルベルト、席を確保してこい」

「あの中をですかい!?」

「もちろんだ、ゼブルス家の名前は出すなよ」


 ギルベルトに席を任せるとちょうど木陰になっているベンチに座る。


「……このためにギルベルトを呼んだのですか?」

「その通りだ」


 貴族の特権とやらで無理やり席を確保してもいいがゼブルス家は善良で通っている。過度な優遇措置を受けてそれを貶めたくない。人は特別扱いしている存在を忌々しく思ってしまう。仕方ないと言えば仕方がないが、こんな些細なことで特権を振りかざす必要もなかった。


 だからちょうどいい人員を確保することにしたわけだ、通称パシリとも呼ぶが。


「ねぇあれなに?」


 シルヴァが指さしたのは噴水の前で大道芸をしている場所だ。


「「みたい!」」

「ラインハルト」

「いや、バアル様も来てください」


 ラインハルトとしては護衛対象は固まっていてほしそうだ。


「大丈夫だ、それより早くいかないと」

「え?ああ!!」


 既にアルベールとシルヴァが大道芸の方に向かっている。


「っ、バアル様はそのベンチから動かないでください」

「わかっている」


 ラインハルトは二人を確保するために二人の後を追う。


「まぁ大丈夫だろう」


(ラインハルトいるからな)


 視界の端で不自然に動く人が数名見える。


(過保護もここまで行くと病気だな)


 彼らはゼブルス家の手の者、もちろん理由はアルベールとシルヴァの護衛だ。


(おそらく家の中でも監視をしていたはずだ。ただ、なぜ外に出したのかはよくわからないが、ひとまずは無事に済むだろう)


 二人を誘拐しようものならまずはラインハルトの武力をどうにかして、あの暗部の監視を振りほどかなければいけない。


 一通りの大道芸が終わり三人が戻ってくるとちょうどギルベルトが呼ばれ、うまいと評判の店に入った。













 日が暮れると店はどんどん閉まっていく。さすがに夜中まで開いている店など酒場以外ではありはしない。


「はぁ~楽しかったですねバアル様」


 串焼きを片手に持ちながらそんなことを言うギルベルト。


「アルベール様とシルヴァ様も楽しめましたか?」

「「うん!!」」


 そんな三人を連れて俺は屋敷に戻るのだが。


「………よう、ギルベルト。お前今日の分の草刈りやんなかったろ?しかも若様を町に連れ出して」


 家の門を通り過ぎると、門の裏側にはギルベルトの師匠の庭師がいた。


「!?いや!これは!?」

「言い訳は聞かん!」


 ギルベルトは拳骨を落とされ、引きずって行かれた。言い訳を用意しといたようだが、意味がなかったようだ。


 それを横目に俺達も館に戻ろうとしたのだが。


「バアル」


 玄関口の前に、後ろに般若の顔が見える母上がそこにいた。


「私、貴方とアルとシルが町に行くなんて聞いてないんだけど」


 俺は冷や汗を流す。なにせ二人を連れ戻しに来る者が訪れなかったため、容認されていると思い込んでいた。だが、母上の様子でそうでないらしい。


「いえ、これは―――」

「………」


 それからいくら釈明しても母上の冷たい笑顔が治ることは無かった。


「罰として1週間お父さんの仕事を手伝いなさい、そして外に出る時必ず家族に報告すること」

「………わかりました」

「そして王都に出るまで家から出ることを禁じます」


 今回のことは仕方がないと割り切り、謹慎命令を受けて家に入っていく。

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