蹂躙中盤

「そろそろ、毒の存在を気付き始めるころ合いでしょうね。

アンデットはすでに脆くなった場所を叩くだけで崩せるでしょうし。」


ブラドの言ったように少し前に仕組んだ浸食毒はじわじわと壁を脆くしていき、最初に付着した場所は既に溶けている。

そこを起点に壁を伝い、雨が染みるようにどんどん重力も関係ないと、上にも横にゆっくりであるが広がっているのであった。それもすでに街を囲む壁を浸食しつくしている。

後は壁の中から溶けていき、溶けるか、外からの衝撃で崩れるかを待つばかりになっていた。


よく見るとすでに壁の上の方では穴も開いている所もみえてきているが、そんな場所に気付く余裕もない。

アンデットの相手と中の人間の避難により上を見るような、ましてや他を気にしている余裕などないのだから


一刻と近ずく崩壊の時を予期できるものが居るはずもない







そのなかで

「くそがぁぁああ!!!」  どおおんんん!!

冒険者と言われる人間の1人が壁にアンデットを吹き飛ばしたのであった




さぁ 崩壊の始まりだ


壁がぶつかった場所を起点に崩れていく

大量の砂煙を、壁を模っていた岩、そして毒も一緒に






「こりゃあ いいながめだなぁ!!

 見ろよ!人間共のあの醜態を!!

 ざまあああぁぁねなぁああああああ!!!!」

「うるさいですねぇ 

 あなたもあの中に居れば、さぞ面白かったのに」





「「いてぇ!!!」」

「「だれかぁああ!!!」」

「やめろぉおお!! くるなぁああ!!!」

「「なんで体がとけてるんだぁあああ!!!」

「「「たすけてくれぇええええええええ!!!!」」」

「「「「まだ!!しにたくねぇえええええ!!!!」」」




「ぐふっ ああなんて日に……

 ごめ  ん  」



崩壊の影響は凄まじく壁沿いの者は潰され、溶けて

生き残った者は近くのアンデットに喰われ死んでいく


ここからが進行の本番なのに半数者戦えるものは文字通り消えていく


「うわぁああ 騎士はなんで助けにこないんだああぁぁああ!!!」

「そうよ、騎士はこの時のためにいるんでしょう!!!」

「いやだぁあああ しにたくないようおおお!!!!!!」



「騎士という戦うものがいるようだな。

それらしいのは見当たらないが」

「主様。、そのもの共は更に中心の貴族とかいう人間の、上の連中の部下らしいですよ。」

「上にいる者が下のもののためにはうごかないとは、不思議なもんだ。

まぁ捨てゴマ共がその騎士というものかもしれないしな。

出てこなくてもしかたないのかもしれないな。」



『清浄の光雨』



雲が街から逃げるように円状に外に流れていく

そして日光が広がり周囲が明るくなると、日の光とは違う輝きをもつ雨が降り出した。


アンデットに雨が降れると、焼かれるようにその身を蒸発させ消えていく

神の雨 神聖なる雨 浄化の雨 など

言われるアンデットなどの不浄を退治する聖なるものだった。


数分の時アンデットは消えさり瓦礫と死体が残り、

その付近には白い法衣をきたものが幾人存在した。

「亡き者に救いを、これからに栄光を」

中心の女性であろう者が口にするそれを周りも復唱した。


そのもの共の背後には剣を手にした鎧姿の者が列をなしてたたずんでいたのであった。










「さぁ 面白くなってきたぞ」

「ようやくでばんだなあああ!!」

「流石のわっちも我慢の限界ですよ!!」

「ふむ、復讐もいいですが物足りないですね

もう少し大物が欲しいとことですが」




これからようやく始まる ラーフにとっての復讐

同胞たるゴブリンが人間に遊ばれ殺されてからの復讐劇の始まりだ


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る