蹂躙開始
「人間とはこんなものを作って繁殖しているんだな。
なんとまぁあ無駄な」
ラーフは、眼下の光景を見てそんな感想を漏らしていた。
これから破壊する国の中枢は今は、日常を謳歌しているがこの先、同じ状況を維持できているのだろうか。
「では、始めてもよろしいでしょうか?主様?」
「ああ 初めてくれ」
ブラドはラーフとの短い言葉を交わし、アンデットの軍勢を人間共の中に突撃させていく。
「それじゃあ!もう少し有利になるように日の光を遮ってやるよ!!」
マーナは重力場を天に作り出し周りから雲を作り出すために水蒸気を集めていく。
もとは天気を操る魔法を使っていたがためにどうすることで、作り出すことができるのかを肌で覚えていたのだ。
アンデット軍の戦闘が始まるぎりぎりには、完成し空は雲に覆われ、ついでにと雷雲を作り出し、雷を作り出すまで成長させていた。
「バカのくせにこんなことできるなんて誰が想像できましょうか
あほ犬のくせに生意気ですね」
「誰が!バカであほだとぉぉ! それに俺は!!狼だ!!!」
がやがやとまた始まるくだらない言い合いを背にラーフは蹂躙の始まる様子を眺めていた。
「そんな簡単に行くとは思っていないがどのくらいまで進むのかな?」
「そうですね大体4割もいけばいい方だとおもいますね。」
「そんなもんか。
あらかた捨て駒が消えたら出番だということだな。
どうせなら、思いっきり抗ってくれた方がたのしそうだよなぁ。」
ラーフの吐き出した願望は悲鳴と喧騒の中に消えていった。
まずは、街を囲む砦のような壁の外に並んでいた人間はアンデットにより喰われ、裂かれ、貫かれ、踏みにじられ、命の灯を消していく。
その場の者の蹂躙があらかた終わると、塀の中に入ろうと入り口に殺到するが、門兵であろう者たちとの押し問答が始まった。
「なぜ!急にモンスターが現れている!!」
「畜生が!!武器を持て!!ぶっ殺せ!!!」
「街を守るぞぉおお!!!!」
「人間が推し始めたぞ
どうするよ?」
「このままだと押し負けますね。
壁を壊しましょうか。」
「ならわっちの毒で壁を溶かして続けて邪魔なものをすべてなくしてしまいましょう」
ボロスが毒を頭上に作り出していく浸食し続ける毒を目的を完遂するために
神の名を持つ毒を扱うからこそ作り出せる毒。
岩ほどの量まで生成したものを凝縮し、わずかな人間の拳ほどの大きさになったそれを放出した。
壁の上部に着弾したそれは周りに浸食し始め、
溶かしていく。
静かに広がる一手に気付くその時、
それに気づいた時には人間には手遅れ、アンデットには好機になる。
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