天才美少女音楽家兼板前勇者系新人VTuberの肩書きを引っさげ、ついにデビューを飾った時雨リオ。最初くらいはていねいにと装っていた彼女だが、すぐに化けの皮を脱ぎ去り、曝け出す。ゴリラが好きでお酒が好きな、ざっくばらんなありのままを!
VTuberさんはキャラを作り、理想の姿を演出されていることが多いものですが、リオさんは最初の段階でそれを放り棄て、地を晒す決意をした人なのです。もちろんそれだけならドラマにはなりません。けれどもここにもうひとつの要素である視聴者の方々が加わることで、それこそ話が変わるのですよ。
ライブ配信は配信者さんのノリに視聴者さんたちが乗っかってくれることで成立するものですよね。一方通行じゃなく、同じテンションで両者がキャッチボールすればこそ醸し出される空気感をリアルに味わえることこそが、本作最大の魅力なのです。
読むとつい配信へ参加してみたくなること間違いなしなVTuberライブ物語、ずいっとおすすめさせていただきます。
(「次元の狭間に輝くVTuber」4選/文=高橋 剛)