第12話⁂真実?⁂



もう久美子も、北朝鮮に拉致されて2年余りの歳月が過ぎています。

皇太子星日との間に満正も誕生しています。


女腹のハユン妃はもう直ぐ42歳、年齢的にも例え懐妊出来ても男子が生まれる確率は極めて低く焦っています。


久美子に王子満正が誕生して久美子は星日の寵愛を独り占め、更には星日の拠点は久美子邸と言っても過言ではなくなって来ているのです。


いつ正妻の座を追われても可笑しくない現状化、最後の悪あがきです。

皇太子妃の座を絶対に失いたくなかったハユンは、久美子を何としても追い出す、更に言うなら亡き者にする為に木村を久美子邸に護衛として送り込んだのです。


何としても久美子を追放、いやもっと言うなら亡き者にして又安定した正妻の座に永遠に君臨したいのです。


久美子が死ねば満正という世継ぎもいますし安泰です。

王女3人の母にしてこの国の女帝として永遠に君臨し続ける事が出来ます。

その安定した土台の上に愛する木村も手に入れる事がハユン妃の一番の望みなのです。


どうせ皇太子星日も若い側室にうつつを抜かしてハユン妃が何していようがお構いなし。

それを良い事に木村という技術者にしてハユンのジゴロ。(今は久美子の護衛)


今正妻の座を追われたら何が残りましょう?側近たちも手のひら返しで皆離れて行き、親兄弟諸共悲惨な現状に追いやられる事は火を見るよりも明らか。


それよりなにより一番恐れているのは木村を失う事です。

この国の妃だから相手をしてくれていますが?20歳程も年下のクールで知的なイケメンの木村が平民に降格したハユン妃を相手にしてくれるはずが有りません。


その為にも正妻の座をどんな事をしても守り通したいのです。

{権力・金・愛・全てをどんな事をしても守って見せる}


何もあんなブ男の星日などに愛の一欠けらも有りましょうか?

金銭欲と権力欲それを離したくないだけなのです。


皇太子妃の座を絶対に失いたくなかったハユンは、木村を久美子邸に護衛として送り込んだのには訳が有るのです。


渋みのある苦み走ったクールで知的なイケメン木村に夢中にならない女性などこの世に居ましょうか?それだけ魅力的な男なのです。

あまたの選りすぐりの男達を見て来た、目の肥えたハユン妃ですら一目見るなり夢中になった男。


そんな男を送り込んで久美子を骨抜きにして肉体関係を結び、浮気現場を押さえて隠しカメラで取り、星日に見せて久美子を死に追い込む。

それがハユン妃の目論見です。


それでも愛する木村をなんとしても殺害させたくなかったハユン妃は、日頃から事あるごとに久美子を守る為にハユン妃に難癖をつけて来る久美子の侍従カンの事が目障りで仕方ありません。


そこで考えられたのが久美子とカンの絡み合うベッドでの合成写真を星日に見せるという事です。


これで鬱陶しい2人が粛清という名の死刑で処罰されてくれたら一石二鳥。


久美子と木村が誰もいない時間帯を見計らってベッドで絡み合っていると天井裏から隠しカメラで行為をフィルムに収めている者が???


その写真を合成してハユン妃は星日に見せます。


「あなたこの写真を見て!全裸で絡み合っている久美子の写真よ!あんな女殺しなさいよ!生かしておいてもろくな事にならないわ!」


星日の顔が見る見る般若顔の恐ろしい顔になって行きます。



ある日、星日が久美子邸を訪れて開口一番久美子を怒鳴り散らしています。


「お前と言う女がこんな卑劣な女だとは思わなかった。即刻死刑だ!」


「グウウ~!(´;ω;`)ウゥゥ星日様私は侍従のカンとは一切そのような関係は有りません。何かの間違いです。どうして私が侍従とそんな関係を持たなければならないのですか?」


「こんな決定的な写真があるのに徹底的に白を切るつもりか?お前のような女は絶対許さん!」


久美子は秘密裏に木村とは肉体関係が有りますが、カンとは一切関係ありません。


そして久美子の傍にいた侍従のカンにも「お前は即刻首だ!そして死刑だ!」


侍従カンの方も「全く根も葉もない事!30も年の違う娘程の年齢の女性とその様な事は絶対ありません。何かの間違いです!」


「じゃ~?木村君を呼べ!木村君なら何か知っているに違いない!」


そこにこの家の護衛として赴任した木村がやって来ます。


「何かありましたか?」


「イヤ!この2人の肉体関係を写した写真、何かこの2人の怪しい行動を見たことないか?」


「全くありません!変ですね?」


「この写真を見たまえ!」


「ああああ~!光の当たっている方向、光の反射、影の方向をみると、かなりわかります。そのへんが明らかに怪しいと思います。これは確実に合成写真です!」


「でも何故この様な写真をでっち上げたのだ?」



そして本宅では正妻のハユン妃が星日から詰め寄られ四苦八苦しています。


「久美子がそんなふしだらな事をする筈がない。ましてや王子まで生んでくれた次期王の生母様に言い掛かりも良いとこだ!どうせ久美子が男子を産んだのが目障りで陥れようとしたんだろう?こんな合成写真で久美子を陥れようなどとはとんでもない女だ!お前なんか出て行け!」


「グウウ~ワァ~~~ン😭違います!あの女はふしだらな女なのです!私の言う事を信じて下さい!」


「エエエエ——イ!鬱陶しいわ!男子も産めないお前などお払い箱だ!出て行け————!」


本当に正妻のハユン妃は追い出されるのか?


それとも、もっと酷い粛清という名の死刑が待っているのか?






 




















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