第25話 あいちゃんの運動会!?
10月も半ばに入り、次第に愛央が長袖を着始めた。さすがにね、寒いんだろう。俺は薄めの長袖でいいんだが、愛央は厚手のニットを着たりしている。
そんな中、俺らの妹、琴乃愛華こと、あいちゃんが話しかけてきた。10月20日、朝のことである。
あい「にーにー」
たく「ん?ありゃ、あいちゃん珍しいね。どしたの?」
あい「あいたん、ほいくえんでうんどうかいやるからいきたい!」
そう、あいちゃんは卒園したとはいえ、扱い上はまだ保育園に在籍している。あいちゃんの都合に合わせて、保育園に行くことは可能なのだ。
10月21日土曜日、あいちゃんが1番に起きてしまい、俺らはその泣き声で起こされた。あいちゃんの泣き声って、良くも悪くも大きい声だからね。
あい「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
たく「ん・・・って、あいちゃん!?ちょままぁってぇ!!!」
あお「おはよう!たっくん!あいちゃん大丈夫?」
あい「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
たく「よしよし、ミルク飲もうか」
あお「たっくん、早い!」
たく「舐めんな。ミルク前日に作り置いておいた」
あいちゃんは運動会に行くので、愛央はチアユニを着て、青色のポンポンを持って行くことにしたらしい。俺はまぁ、普通のパーカーにジーパンで行くかぁ。
って思ったがそいや俺バイト辞めてから挨拶行ったかな。と思ったので久しぶりに顔出しに行ったら、なんと店長から衝撃の事実を伝えられる。
店長「久しぶり。琴乃君」
たく「あどうも。あの時いきなりやめて申し訳ありませんでした」
店長「いいよ。不慮だったからね。あれから、レジの子たちが接客対応が悪いとお客様からも言われててさ、時給あげるから、戻ってこない?」
たく「え、まじですか。戻ります」
店長「じゃあ、来月からまたよろしくね」
たく「はい。よろしくお願いいたします」
まさかのバイト復帰。時給は1200円に上がった。勝ち組だが、さぁこっから新人の指導は手を抜かずにやっていくか。
バイト先を出てあいちゃんを抱っこするとあいちゃんが「や!」と言ってふわふわ飛んで愛央のところに行っていた。愛央も好きだからね。まぁたまには良いか。
あい「きゅーぴーきゅーぴー」
たく「さぁ運動会行くべ」
運動会はあいちゃんが思いっきり走り、楽しんでいたが、最後のリレーが終わるときゅぴらっぱ〜が発動する。
先生「勝ったのは、赤組!」
あい「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
先生「あいちゃん・・・」
あい「きゅぴ・・・きゅぴらっぱ〜!!!」
たく「えっ、ちょまま!!」
あいちゃんはきゅぴらっぱ〜を発動すると次に俺と愛央のところに飛んできた。
あお「あいちゃん、何やったの?」
あい「きゅぴ♪」
たく「あーわかった。愛央の髪だ」
あお「うち?」
たく「髪留めついてる」
あお「え〜っ!可愛い〜!」
この前の体育祭の写真がついた髪留めだった。
すげぇ、あいちゃん。
運動会が終わると普段なら抱っこして帰るのにあいちゃんは頑張って羽根をパタパタさせ、ぷかぷか浮きながら家まで帰っていこうとした。そんな成長に、愛央は「ふぁいとっ♪あいちゃん!」って言って応援してた。
家まで帰ってくると俺に抱きつき、「にーにー、ごはんちょーだい」と喋った。日に日に喋ることができるようになって、すごいなぁと思う。
ミルクを上げて、俺らは懐かしの話をした。
あいちゃんは産まれた時から話題で、俺がだっこすると飛び始めたのだ。メディアはこれに殺到し、一時期中学に通えないほどだった。
それこそ俺らが受験の時、あいちゃんが産まれたので最初は俺らも分からなかった。あいちゃんはあい!きゅぴ!などのいわゆるあいちゃん言葉しか喋れなかったから。ただ今は生まれて8ヶ月。少しずつ、喋れるようになってきた。そのうち愛央のポンポンも遊び道具にするのかな。
疲れたあいちゃんは18時頃になって寝ちゃった。安心しきってぐっすり。愛央はそれを見て、可愛いって言ってたが、愛央の寝顔ってあいちゃんに似てるなぁと思った。その後愛央とあいちゃん、2人で抱き合って寝てしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます