第23話 久しぶりに3人でお出かけ
あれから2ヶ月がたち、今は9月。やっと腕が治ったのだ。愛央とあいちゃんは大喜び。まだ少し傷みは残るがだいたい治ったから大丈夫との事。料理や学校などには何も差し支えないので安心した。
愛央やあいちゃんにはこの2ヶ月間何もしてあげられなかった。我慢させちゃったから、今日は久しぶりにお出かけに行こうと思い、早めに起きた。
休日の朝は少し遅く、愛央が8時に起きてくる。
あお「おはよー」
たく「はよ」
あお「たっくん、機嫌悪いの?」
たく「いや悪くないよ」
俺は黙り込んで愛央の方向を見てしまった。愛央は気になって、聞いてきた。
あお「なぁに?」
たく「・・・お出かけするか?」
あお「えっ!いいの!?」
たく「行きたいなら行こう」
あお「うん!」
デート服を久しぶりに着た愛央は物凄く可愛かった。恥ずかしながら、週末どちらかで毎度お出かけしていた俺らからしたらこの2ヶ月は少しつまらなくて残念だったが、愛央の甘えん坊が久しぶりに炸裂したので良しとする。
あお「たっきゅぅん♡」
たく「ぴえん顔であに言う気だ。推ししかかたんってか?」
あお「違うの!あのね・・・久しぶりに、食事しよ?」
たく「愛央はうちのクラスの男子全員敵に回してまで俺と飯食いたいんか」
あお「久しぶりにお出かけしたのにご飯食べないとかありえないでしょ?」
たく「まぁ・・・そっか。どこで食べたいの?」
あお「こーこっ♪」
たく「でっけぇな。んだここ」
あお「愛央がいーっかい行ってみたかったの!」
たく「はぁ・・・なるほどね」
天川大野のショッピングモールに愛央が1度でいいから行きたかったところがあった。
このレストランは、愛央が過去に友達と行ったらしく、今度はたっくんと来たい!って思ったらしい。
あい「きゅぴ、あい!あーぶ!」
たく「これにすんの?」
あい「うん!」
あお「愛央これがいい!」
たく「俺あににしようかなぁ」
迷った挙句おすすめにしたが安くて3人で1500円なので普通に食べられる。食べ終わって普通に帰ると、愛央がハーフアップにアレンジを加え、赤のポンポンを持って、デート服のまま俺のところに来た。
あお「たーっくん♪」
たく「あにする気だ」
あお「フレ♪フレ♪たーっくん♪」
たく「えっ?」
あお「来月、球技大会でしょ?だから愛央応援したくて!」
たく「あーだからか」
愛央がデート赤チアをやるのはこれが2回目。体育祭の時、1度やっていたけど今日は球技大会の気合い入れという位置付けでやったのだろう。
夕方になって飯を作ろうとしたら・・・
あお「たっくん、今日は夜も食べに行こうよ」
たく「親がなんて言うかな」
あお「内線してみたら?」
たく「今の時間って内線701番行ける?」
あお「うん!」
内線701とは社長室の内線番号である。父親は基本的に社長室常駐なので18時までなら内線701にかけると100%出る。俺らの部屋は内線501なので、501の番号を見た時の父親の内線出るスピードは早いのだ。そして内線をかけようとしたその時・・・
内線501「プープープー」
たく「はい匠です」
昭仁「匠、愛央、飯行く?」
たく「えっ?」
あお「行くの?」
昭仁「月に一度のお食事会の日だよ今日は」
たく「すっからかんに忘れてた。どこ行きゃいい?」
昭仁「内線302番にかけて芽生呼んでから、1階の正面入口で待ってろ」
たく「OK。内線302かけるね」
内線302は副社長室。さっきの社長室は7階だが、副社長室は3階にある。うちの家、8階まであることをすっかり俺らは忘れていた。5階の半分は俺らの家。親はそれぞれの室内で生活しているので、普段一緒に飯をすることはない。たまにみんなで5階の俺らの部屋で飯にすることはあるが。とりあえず内線302にかけるか。
芽生「副社長室です」
たく「母さん、父さんが食事に行くから準備して下来てだって」
芽生「そうだったね!愛央もあいちゃんも行く?」
たく「そりゃ行くべさ。んじゃ俺ら先下いくよ」
芽生「おっけー」
愛央は寒そうにしてたので、長袖の羽織ものを着せてあげた。久しぶりに5人で飯。あいちゃんは太鼓で遊んでいた。俺はその間動画のネタを考えていたが、愛央の甘えには必ず答える。
外食すると必ず帰りは愛央とあいちゃんが寝ている。俺はそれに挟まれている状態だ。気づいたら家だったってこともよくある。家に帰って愛央達を布団で寝かせ、俺はパソコンに向かう。またどこか行こうね、愛央。
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