第22話 手紙の衝撃

翌朝、9時に手術が開始された。1時間手術を受けていたが、軽い骨折だったので全治は2ヶ月くらいらしい。手術は無事成功。左腕の骨折だったのでノートを取るにはなんの問題も無い。入院部屋に戻った時、俺の部屋には1枚の封筒があった。


愛央からの手紙。スマホは手が麻痺している関係上、見れないかもって思った愛央の配慮だろう。


封筒に入っていたその手紙は、担任の波野先生と愛央の直筆手紙、そしてあいちゃんと愛央のツーショット写真だった。


手紙「たっくんへ。愛央とあいちゃんを守ってくれて、ありがとう!骨折、痛いよね。愛央とあいちゃんは不安だけど、たっくんが戻ってきてくれることを待ってるよ♪」

たく「愛央、不安ながらも頑張ってんだな。ってかこれもう2枚入ってね?あにこれ。あ、先生じゃん。あじしたんだろ。まぁ開いてみるか」


手紙「琴乃匠くんへ。まず初めに怪我は大丈夫でしたか?助けてあげられなくてごめんなさい。あの後、学校ではクラス替えがすぐに行われました。また、元クラスで匠のことをからかったりしていた人達は15人いたとの事で全員退学になりました。無理せずに、戻ってきてください。残りの10ヶ月は特別席から授業を受けて大丈夫です。愛央と一緒に、学校に戻ってきてくださいね。愛央と匠は今休んでいるけど、出席停止扱いにしてあるから、安心して。1年E組で、待ってます。波野」


たく「は?退学15人???あにした?」


驚愕。実は学年集会があの後すぐ開かれ、鹿山を含めた退学者は15人。有名高校なのですぐにメディア等に公表し、再発防止に務めるとのこと。さらにクラス替えが行われ、225人になった学年は45人の5クラス体制になった。俺は依然としてE組だが、特別席から受けていいってどゆことだ?意味不明だが、とりあえず治療に専念することにした。


2日後に無事退院したので家で待つ愛央とあいちゃんのところへ。あいちゃんは「にーにー!おかえりー!」って出迎えてくれたが、愛央は寝ちゃっていたようだ。お疲れ様。愛央。


20分後に、愛央が起きた。すぐに声をかける。


あお「ん・・・?」

たく「あおちゃん。ただいま」

あお「えっ・・・?たっくん?」

たく「ちっす!琴乃匠、帰ってきたよ!」

あお「うぅぅ・・・たっくぅぅぅぅぅん!!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」

たく「おーよしよし。ごめんな、3日間不安にさせて」

あお「たっくん、大丈夫なの・・・」

たく「安心しろ。手術受けて、全治2ヶ月だとよ」


久しぶりに俺の姿を見た愛央は大泣きでハグしてきた。JKはよく友達同士でハグするけど、愛央は俺をぎゅーするのが大好きなんだって。それが可愛いんだけどね。そして愛央は俺に教えてくれた。


あお「あのね!愛央たち家から授業受けていいんだって!」

たく「は?なんでよ。え、俺骨折してるから?」

あお「たっくんが荷物もって学校に行くことがもう出来ないから、家から受けていいんだって。愛央とたっくんは双子だし、助け合ってあげてって先生が言ってたの」


冗談よせよとはまさにこの事。まさかねぇ???俺がオンライン授業を受けていいとか、ありなのか???まぁいっか。久しぶりに家に帰ってきて、当分編集が出来なくなってしまったので動画を作れないことが確定してしまった。


うちは執事が昼と夜を作ってくれるが、あいちゃんのおまじないでご飯をすぐに呼び出すこともできる。だがあいちゃんにとっては、俺の手料理がまた食べたいのだろう。2ヶ月待ってくれたら作ってあげたい。色々あったから。

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