第19話 たっくん、登校拒否!?愛央の全力すぎる応援!
愛央がたっくんのチアリーダーになって10年が経った。でも愛央が1番不安になるのは、たっくんの登校拒否反応。一緒に通うから、たまに出ちゃうんだけど、その時愛央はいつも「愛央がいるから大丈夫!」って励ましちゃうんだけど、何か違う気がして・・・。たっくんが発達障害で変な行動をして周りから変な目で見られているのは昔からだけど、愛央は距離を置いてたっくんを見た時に、たっくんが正しいことを言ってるのにそれは違うって言われるのが愛央はわからなかったの。たっくんは発達障害と診断されて何年も経つけど、たっくんは正しい時もあれば違う時もある。たっくんは大人になりつつあるのに、愛央はまだまだ幼いのかもしれないの。
6月20日、今日は愛央の方が早く起きた。たっくんは愛央の隣で寝てくれているの。怖がりな愛央と赤ちゃんのあいちゃんはいつ何が起こるか分からないからっていう理由で寝てるんだ。
あお「たっくん!もう朝だよ!」
たく「ごめん・・・俺、学校行きたくない」
あお「えっ!なんで!?」
たく「もう限界・・・」
実はたっくんを委員長にした理由は、みんなでからかうため。そして、愛央が副委員長になった理由は超美女だから。完全にやってはいけないことだよねこれ。このままたっくんが学校に行かないとなると困ったあおは急いで髪を結んで、応援しようと思ったの。チュールスカートとブラウスを着て、いつもと違い、今日はエールの黄色いポンポンを振って励ましたの。
あお「たっくん、元気だしてっ!」
たく「もう何度目だよ・・・」
あお「・・・フレ!・・・フレ!・・・たっくん!フレ!フレ!たっくん!諦めないで!あなたがいるからここまで来れたの!」
たく「これで5回目だよ・・・マジで行きたくないわ」
ここまで酷くなるとたっくんは本当に行けなくなる。愛央は困ったんだけど、ママが久しぶりに愛央とたっくんの部屋に来たんだ。
たく「俺、学校行きたくない」
あお「ママ、どうしたらいいの?」
芽生「匠が普通の子じゃないのは事実だけど、それを叩く人はどうかと思うの。匠は悪くないし、叩く人が悪いの。実はね、愛央と匠の学校の生徒さんの8割の親御さん、そしてE組のほとんどの親御さんがママたちの会社で働いていて、やろうと思えばリストラができるの。匠は学級委員長で、愛央は副委員長でしょ?これ以上酷くなったら、ママとパパがその親御さんたちをクビにするから。頑張りなさい。少しの辛抱だよ。いつものように、いっておいで」
そう、パパの会社は8000人を超える従業員さんがいて、そのうち1500人が愛央たちの学校の保護者だというの。さらにE組の38人の生徒の親御さんがここで働いているんだって。天川市の中で1番大きい企業って、すごいって感じたね。方南の学費は年102万円、愛央とたっくんは今年唯一の特待生だから、学費はなし、制服も3割引で買えたの!すごい!
しばらくして、あいちゃんが起きた。あいちゃんは起きてすぐ泣き出しちゃうの。ミルクが飲みたいんだって。でもたっくんは凄くて、泣き出してから2分でミルク作ったの。速い。さすがたっくん。ミルクを飲み終わらせると即座に着替えたの。
あお「たっくん、行くの?」
たく「・・・行くよ。最後の賭けを使う」
あお「たっくん・・・」
最後の賭けって言うのはさっきママが言ったことで、それをE組の全員に手紙で配布するということ。たっくんは別名、「腹黒琴乃」って呼ばれていたくらい、裏の手を使うことがあるんだって!
教室について相変わらずボロクソ叩かれるたっくんを、うちは助けてあげられなかった。でも今日のたっくんは違ったの。
生徒「うわでたイキリ委員長wwwwwwwwwww」
全員「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
たく「てめぇらそんなことずっと続くと高校居られなくなるぞ」
生徒「は?ばーかwwwお前の方が居れなくなるよ特待生でイキってるゴミ!wwwwwwww」
たく「あっそう。んじゃあお前らの親がうちの会社クビになってもいいんね?」
生徒「は?」
たく「忘れたか?俺と愛央が琴乃開発の社長の息子と娘ってことを。いじめの現実伝えたらどうなるか分かってんの?おめぇら」
生徒「えちょっとそれだけは。俺らクラスメイトだろ?な?だから言わないよな?」
たく「は?ばーか。普通に言うわ。金なくなって私立の高校来れなくても知らねーぞ。さぁどうする?どうする?お前ら親にぶち殺されんじゃねぇか?」
生徒「え待ってそれだけはマジで勘弁してくれ!」
たく「愛央、あじする?」
あお「いじめてるのは事実だし、多分ママがもう言ったんじゃない?」
たく「そうだな」
生徒「ほんとごめんなさいマジで許してください」
たく「だったら校庭1万周して俺が過去に受けたことを走って痛感してこい!!!!!ぜってぇゆるさんからな。早く行け馬鹿どもが!!!!」
生徒「は、はいぃぃぃぃ!!!」
さすが、房総半島の血が流れるたっくん。愛央も流れているっちゃあ流れているんだけどたっくん程酷くない。怒鳴り散らしたたっくんは職員室へ連れていかれたんだけど学年の先生方はこれまた凄い。いじめの事実を見て見ぬふりしていてことを認め、謝罪の上、その人たちを退学処分にするって言ったの。愛央は不安だったんだ。大丈夫かなぁ、たっくん。
授業を終えてたっくんに朝のことを聞き出してみたの。
あお「たっくん、朝に学年室行ってたけどなんだったの?」
たく「あーあれか?アイツら退学検討処分だとよ。反省文100枚でその内容によって退学かもしくは訓告になるんだって。はっ、いじめすぎだゴミ共」
あお「怖い〜!たっくん、愛央にしないよね!?(泣)」
たく「愛央は大丈夫」
うちは泣きそうだったけど安心した。たっくんがいつものように戻ってくれたから。
家に帰ってうちはいつも以上に甘えたの。たっくんに元気になって欲しいから。余計に疲れさせちゃったかもしれないけど、たっくんは元気だった。
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