第11話 放課後
結局登録された名前がどうなっていたかと言うと、俺がシンシン、時雨がミッチーであった。時雨に関しては予想は出来ていたが、まさかパンダみたいな名前になってしまうとは予想出来なかった…。本人の陸上はどうかと言うと、クガチャンであった。陸上が一番まともに感じるのは気のせいであろうか。
ま、名前は気にせず楽しむとしますか。
予想以上にこの三人でのボーリングは盛り上がった。雑談をしながら、色々と二人のことを知れたので遊びに来て正解だった。陸上と時雨は家が近く小さい頃から家族同士の付き合いもあり、自然と仲良くなったそうだ。陸上が、「これが可愛い女の子だったらよかったのにな。」なんて言っていたが、時雨も「同感だ。」と言っていた。お互いを分かりきっている二人のような関係には少し憧れてしまう。
次のゲームをやるかどうか話している時に陸上が突然聞いてきた。
「心哉ってさ、前の席の美女と知り合いなのか?」
「それ、俺も気になってた。あの首席だろ?」
時雨もどうやら気になっていたらしい。
入学式の日、別のことに気を取られていて首席だなんて気づかなかった。二人に、どう答えれば、いいか一瞬迷う。そして、思考を巡らし妥当な回答を探す。
「元々知り合いとかではないよ。ただ、話してたら仲良くなっただけ。」
事実であって、嘘は言っていない。
「それにしては、仲よさげに見えたが?」
周りから見たらそう見えているのか。
「うーん、たぶん白戸がコミュ力お化けなだけだと思う。」
俺は正直女子と積極的話そうとしないし、話せないので彼女のコミュ力が高いだけである。
「そかそか。それなら心哉気をつけた方がいいぞ。」
「なんで?」
何に気をつけろと言っているのか分からず聞いてしまう。
「心哉は他の男子からの視線気にした方がいい。多分狙っているやつは、少なくはないはずだから。」
大して気にしていなかったが、彼女と仲良くなるのは危険なようだ。クラスの男子から目の敵にされたくないので、明日からは適切な距離感を意識していこうと心に誓った。
「ま、何かされる前に俺が助けるから安心しろ。男子の嫉妬なんかでいじめられたりするのは可哀想だからな。」
く、陸上様…。
「ありがと。なるべくそんなことにならないよう気をつけるよ。」
そんな話をしていると、後ろから声をかけられた。
「さっきぶりじゃん。夏希もここに遊びに来ているとはね。」
そこにはなんと、同じクラスの女子グループがいたのだ。その中には、紗姫もいた。
お久しぶりです。早蕨です
三日に更新すると言っておきながら、更新出来なかったこと申し訳ありませんでした。紗姫ちゃんの出番がこれから増えて来るのでお楽しみに
僕は君に何度でも愛を伝える【旧:報われないと分っていても諦めちゃいけない?】 早蕨琢斗 @sawarabi-takuto
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