第6話 友人

「お、久しぶりに太鼓やろうぜ。」

 メダルゲームやUFOキャッチャーなど、一通りみて回っていると太鼓のゲームが仁己の目に留まったらしい。

「いいね!難易度鬼で勝負しよう。」

「心哉、お前久しぶりにやるからってビビってんな。裏鬼でやるぞ。」

懐かしい、休日によくこれで何かを賭けてやったのを覚えている。


 お金を入れて、曲の選択画面を見ている時に、仁己が思いついたかのように言ってきた。

「久しぶりに、何か賭けようぜ?」

「じゃあ、昼飯でどうだ?」

「よし、絶対勝って高いやつ頼んでやる。」

 そして、一度に三回できるので先に二勝した方が勝ちとなった。


 「くそ~、なんでだ…。俺よりやりこんでないはずなのに…。」

結果的には、二勝一分けで俺がぎりぎりで勝った。その後もレースゲームや他の体を使ったリズムゲームなどをして、楽しんだ。

 

 「もう昼過ぎてるし、飯行こうぜ。」

腕時計をみて、二時近くなっていたので仁己に言った。てか、朝飯も食ってないのによくこの時間までもったな。久しぶりに友達と遊んで、楽しすぎたのかもしれない。


「いや~、自分だとこのセットのやつ頼めなかったからサンキューな。」

学生といえば、ここのハンバーガーチェーンといえる場所で、期間限定の肉厚バーガーを頼んだ。これは普通のやつよりも少し値段が高いから自分で頼もうとすると少々ためらう。昔から、相手に失礼だから遠慮なく頼むのが暗黙のルールだった。



「というかなんで勝てたんだ?いつもはだいたい俺が勝つのに」

やはり気になっていたようだ。俺より仁己はゲーセン歴が長いから。


「えーと、一人でゲーセン来てた時にやりこんだ曲をえらんだからだよ。ずるとかいうのは受け付けてないから。曲選んでいいって言ったのは仁己なんだから。」

「だから、オリジナル曲ばかり選んでたのか。今度来たときは俺に選ばせてもらうからな。」

これは次は一回も勝てる気がしない...。実力では明らかに仁己の方が上なので、お金を貯めなきゃと覚悟した。

 




 久しぶりにきたゲーセンで遊んでみた感想や仁己の高校はどんな感じなのかなど雑談を交え、本題に入ろうとしたとき仁己が真剣な表情になった。



「なぁ、心哉。俺になんか相談したいことあるんじゃないのか?」

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