第2話

祖父の父の田舎では、父の部屋で寝泊りさせてもらうことにした。

8月いっぱいまでは、いるつもり。


勉強以外にも、いろいろと手伝おう。


「それにしても、天井がみしみしているな。

誰かいたりして・・・」


「実、来てくれ」

「はーい」


祖父に呼ばれる。


「何?おじいちゃん」

「今日は何が食べたい?」

「いったら、なんでも作ってくれるの?」


祖父は、かなり料理の腕がうまい。

奥さん、つまり祖母に先立たれてからは、ひとりで作る事が多くなり、

自然と上手くなったそうだ。


「ああ。何でもいいぞ」

「じゃあ・・・」


こうして、祖父とふたりで食事をする。


「おじいちゃんは、普段は何しているの?」

「年金だけで生活できるが、それだけではつまらんからな」

「うん」

「村を冒険しているよ」


冒険ね・・・


「後は、音楽聴いてるな」

「どんな曲?」


その答えを聞いて思った。

おじいちゃんは、若い。

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