デートの日

バブみ道日丿宮組

お題:興奮した昼 制限時間:15分

デートの日

「いい立地だろう?」

 彼女が紹介してくれたのは、おしゃれなカフェテラス。

「君に合わないこともないだろう」

 ひどいことを言う。

「一番いいところは、床を見てみたまえ」

 よく磨かれた床は、天井を写し出してた。

「そのまま視線を横にずらすと僕の下着が見えるだろう」

 言葉の意味を理解して、無謀に写り込んだ下着を目にする。

「そんなにがっつくようなことでもないだろう。普段もっと凄いものを見てるというのに」

 笑われた。

「ここのカフェテラスでは鏡面仕上げされたものが床となってる。そしてお客様は女性が大半だ」

 そうなると、

「下着が見放題というわけだ。よかったな、このどへんたい」

 誘ってきたのはそちらだというのに、どうしてこっちが悪いことになるんだ?

「下着が見えるってこともあって、男性客がこないのはおかしいと思わないかい?」

 それはそうだな。

「イケメンならまだしも、ぽっちゃり系だとしたら、汚物を見る目で見られるっていう話さ」

 じゃぁ自分もそう見られてるのだろうか。

 周りに視線を向けてもそんなものを感じない。見えるのは見えてるのに、嫌な感じはしない。

 赤、青、ストライプ、白、黒、緑、オレンジ。

「やれやれ、パートナーがいる前でよその女性の下着を鑑賞とはいかがなものかな」

 話題にしたから外に視線を向けただけで、本心は違う。

「わかってるさ。君のそれは僕にしか反応しないってことはね。ここに連れてきたのは、ある種の確認のようなものさ。こうしてみるとどうかね」

 視線を彼女に移すと、軽く立ち上がり何かを下げた。

「どうだい。これで君の好きなものがばっちり写り込んでるんじゃないかい?」

 公衆の前で秘部を晒すとは一体どういった意図があるんだ。秘部が床越しに投影されてた。思わず、ごくりと喉がなった。何度見ても綺麗。

「見たね? じゃぁおしまいだ」

 秘部は再び布に覆われた。

「どうだい? 興奮したかい?」

 興奮してるのは彼女の方じゃないだろうか。顔がいつもよりも赤い。

「ふふ、続きは帰ってからにしよう。ここは下着が覗けるスポットとして有名ではあるが、先程頼んだケーキも大層なものなのさ」

 それもあって女性客が多いのだろう。

「なんにしても君を興奮させるのは楽しいことだよ」

 そうなのか。あまりいい趣味じゃないが、彼女が満足するのであればそれもよしとしよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

デートの日 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る