第6話

五首連作短歌(添削後)




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ブリキの木こり        燈子トウコ



 髪の毛と星形の欺瞞ぎまんせきとめる排水口を君がすくうな


 浮浪者の帽子 知らぬは薄情はくじょうか前世の青を知るは異常か


 びた親切に苦悩を値下げして大量発生ブリキの木こり


 スリッパを振り回したいお年頃わかって、あたしの、痛み、このくらい


 マスクした途端に醜怪しゅうかいあばかれる笑えない目に触れないで、今は




――――――――――――――――――




マスク盗る         啓治ケイジ



 鍋底の塗装がれてお星さま光って取り残されてしまった


 「菜の花を見に行かないの?」「行かないよ(君といたいし)帽子ないから」


 砂鉄さてつ振り散らかすように親切をひけらかすヒト僕ら見てきた


 足音を音符にしては聞き流す君の辛さだけ響けばいいのに


 真実はなくていいからマスク盗るいつかぜんぶで笑い合えるよ





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