異世界刑事(デカ) わたしを転生させたやつを捕まえるまで、元の世界に戻りませェんンフフフ~!

椎名富比路@ツクールゲーム原案コン大賞

【異世界設定コン】用のプロット

 タイトル 

『異世界刑事 俺を殺したやつを異世界で見つけだすまで、元の世界に戻れません!』

 長いタイトルなのは、「異世界刑事」というタイトルが存在するかもしれないから。


 

概要

 

 療養中に殺害された主人公は、異世界に呼ばれる。

 自分を殺害した相手を見つけ出すまで、帰らない!


 自分を召喚した「ポンコツ女神 人間体」を助手に添え、事件に挑む!



コンセプト


 

「異世界だろうが、古畑がしたい!」

 

 犯人との駆け引き、腹のさぐりあい

 ともすればグダグダとも誤解されがちな、丁寧な謎解き

 息が詰まるような緊迫感の中にある、ユーモア。


 そういったものを盛り込んで、ネットミステリが苦手な読者にもアプローチできる作品に仕上げたい。


 

◇共通設定


 主人公:ローエングリン・オールドファーム


 異世界刑事。


 老齢で、入院中だった。

 殺害された拍子に、異世界へ召喚される。

 ついでに若返る。


 チート能力

「どこでも捜査できる」

 誰の許可も得ず、捜査が可能。

 書状を見せれば「ああ、刑事さん」と通してくれる。

 ただし、いい顔はされない。

 証拠品なども、見せてはもらえるが持ち帰れない。


「こんな何でもありな世界で、自分の推理は役立たずなのでは?」と、無力感にさいなまれることも。

しかし、大事なのは推理ではない。弱者の側にたち、人を助け、犯人を突き止めることが刑事の勤めであると気がつく。


 主人公の性格からして、「事件を楽しむ余地」のある【探偵】ではなく、「真実を求める、事実を正確に追求するタイプ」、【刑事】とした。

 

 女神

 主人公を異世界に飛ばした女神。

 事後連絡だったので、犯人は見ていない。

 しかし、時間がなかったので「死にかけていた伯爵家三男坊の体内」に魂を移す。

 探偵を殺害した犯人を、共に追っている。

 主人公を死なせた責任をとって、自身も人間体となって地上に降りてきた。

 不死身。ケガや病気はするが、弱るだけで死なない。

 虚弱体質なので、すぐ風邪を引く。

 


◇舞台

 一八〇〇年後期くらいの年代。

 つまり、ある程度の警察機構ができている。

 同時に、オカルトも未だに健在という設定。


◇内容は、短編形式。


 解決編の直前までに、必ず

「読者への挑戦」

 と銘打ち、読者に回答をしてもらうこと。


 フェアプレイの精神で。

「解決編までに出していないトリック、犯人」

 などを用いる

「後出しジャンケン」

 は禁止。


 期限は、一週間から一ヶ月。


 これは、長すぎても短すぎてもダメかも。

 作者の分量で。



◇共通しなくてもいいかもしれない


 書き方は自由でいいかも。


 筆者は古畑が好きなので、

「倒叙型:犯人の視点で描かれる」

 で書いているが、スタイルは書きやすい形式でいいかと。


「主人公を連れてきた犯人は魔王で、現世で主人公にとある犯罪を知られた後輩刑事。口封じに主人公を殺害した。自分にたどり着いたら戻してやろうと考えていた」

 筆者はこう考えているが、「誰が連れてきたか」は自由でいいかも。

 

◇プロット作例


「凶器は、抜けない聖剣」



◇起


 読者に向けて、サイコパステストを行う。

「A子とB子は、同じ男性警官を愛してしまった。次の日、B子がA子によって殺された。犯行動機は?」

「正解は物語の中に。これに正解したあなた、サイコパスです」



 とある村の村長が、首をはねられて死亡しているのが発見される。首は行方不明。

 凶器は、勇者にしか抜けない「聖剣」。小さな湖の小島に突き刺さっている。

 役所に連行される勇者。聖剣も没収される。


 本当に、勇者は村長を殺害したのか?

 村長の娘で、聖剣のある土地を守る巫女は、勇者の処刑はしないでくれと懇願する。


 探偵登場。

「剣の根本に血痕がある」のが気になった。

 調査を開始したところ、「巫女が怪しい」と睨む。


◇承


 推理


 聖剣があったとされる、湖を見せてもらう。


 湖周辺は森に囲まれた狭い草原。

 ここが犯行現場である。


 魔法が遮断されてしまう。


 牢屋に監禁されている勇者に頼んで、聖剣を見せてもらう。

 聖剣の切れ味を見せてもらうためだ。

 

 探偵は、「聖剣が凶器ではない」と見破った。

 根拠は、以下の通り。


・血痕は「切り傷」ではなく、「打撲でできた跡」だった。


・剣の根本で首は切れない。鶏をシメている職人に探偵が聞いた。

「普通は剣の先から真ん中あたりで首をはねる」とも、処刑人から聞く。


・勇者は犯行時刻、大量に酒を飲んでいたので寝てしまった。その後は覚えていない。

 アリバイなし。

 聖剣の他に普通の短剣も所持している。

 が、肌見放さず持っている上に、付着した血液は魔物のものばかり。



 よって、聖剣が殺人の道具にはならないと確信。


 湖まで続く林の外側で、草についた血痕を発見した。


 木製のブーメランに風魔法を使ったのでは、という説が浮上。

 木彫りのブーメランを持って樹の実を取る巫女。

 そのブーメランは、やけに短い。

 聞くと、「手入れをした」という。犯行時刻と一致。


 早く旅立たねばと思っていたのに「一日休め」といってきたのは、巫女だという。

 勇者を二人きりで介抱していたのも、巫女である。


 しかし、勇者は一度、席を外したらしい。それが、犯行時刻。


「起」で出てきたクイズを披露。

 巫女は即答する。

「事件を起こせば、警官にまた会えるから」

 と……。

 

 探偵の質問に、巫女は苛立つ。

 父親が殺されているので当然かも知れないが。

 仮に父親を殺せたとしても、巫女は「刃物を使うこと」を禁じられている。


 また、勇者以外が首をはねるなら、「湖の中央の小島まで移動」して、「身体を押さえながら首を踏みつけて叩き切る」しかない。

 魔法なしで小島まで渡れるのは、勇者と巫女だけ。


 捜査は行き詰まってしまう。


◇転


 木製のブーメランでも、風魔法をかけてやれば刃同様にモノを切れるという。


 豊穣祭で、サッカーの試合を行う。

 村長が死んだため、その慰霊も兼ねている。

  

 巫女は、エースストライカーだった。


 フリーキックを華麗に決めて、勝つはずだった。

 しかし、あやうく外しかける。

 無理な体制でシュートを撃ったため、ボールの軌道がそれた。

 その甲斐あって、キーパーの混乱を誘い、巫女のチームが有利に。


 探偵は、巫女のその後の行動を見て、彼女が犯人だと確信した。



そこへ、魔物が襲来。大会をダメにする。


 巫女をかばって、主人公は捕まってしまう。

 女神に勇者を呼んできてもらい、聖剣も持たせる。


 主人公は言う。

「自分ごと、敵の首を斬ってください!」

 と。


 勇者はためらっていたが、意を決して剣を振るう。


 死を覚悟した主人公。


 無事に魔物は倒した。


 しかし、主人公は無傷だった。


 



「読者への挑戦」開始。

どこで気づいたか?




◇結

 種明かし。


 巫女が、シーツをかぶって寝ている勇者に語りかける。

「これであなたは、永遠に私のもの」

 

「ンフフ……それが、あなたの動機だったのですね?」


 シーツを払って現れたのは、勇者ではなく主人公だった。


 勇者はすでに、魔王討伐の旅に向かった後である。



・湖から、ブーメランで首をはねられた村長が見つかる。

 やはり、風の魔法をブーメランにまとわせて攻撃したのだろう。


 村長の頬に、巫女が蹴った跡が見つかった。

 靴についていたアクセサリの跡が。


 巫女は観念する。


・聖剣は「魔物は殺せても、人間には傷一つつけられない」と知った。

 よって、勇者が犯人ではないと決定した。

 


・犯人は村長を殺害後、湖に「サッカーボールのように蹴飛ばした」のだ。

 その際、聖剣に血痕を付着させた。

 勇者の犯行と見せかけるために。

 そんな芸当ができるのは、正確無比なキックが武器の巫女しかいない。


・犯人は踏み潰された花を、元通りにしていた。犯行現場からすぐに立ち去りたいはずなのに。

 そこで、「犯人は、花を大事にする人間だ」と探偵は悟る。


・祭でのサッカーで、巫女は最後に「花を元に戻して」いた。


・ヤンデレ巫女は、勇者にここにとどまってほしかった。

 殺人が起きて犯人にされたら、自分が面倒を見てあげられる。

 村長がそんなことを許すはずがなく、巫女の手によって殺害された。


 サイコパステストと、ほぼ同じ結末を迎える。


 巫女は村長から、「聖剣は人を殺せない」と知らされていなかった。



 事件解決後、主人公は

「自分をここへ呼んだのは、何かを推理してほしいからでは?」

 と考えうように。


 エンド。


注:

 筆者は一応、小説講座でミステリに関しては勉強していた。

 実際は、コロンボや古畑をちょっと見た程度の人間なので、推理力はお察しで。


 探偵か刑事か悩んだが、結局「真実を求める、事実を正確に追求する」刑事に。

 探偵だと、事件を楽しんでしまうから。

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