第七話 『逃走』
箱は再び倉庫を開けると消えていたので、なんとか無事に帰路に着くことができた。
しかし、二回目、三回目と続く恐怖に、精神はずいぶん参っている。
このまま何もなく家に帰りたいものだと思った矢先、箱は再び現れた。
街灯がスポットライトのように照らし、暗闇の一際目立つ存在感。
最初に見た時も道に落ちていたが、その時とは比にならないほどの恐怖と、逃げ出したいと言う気持ち。
脳内に浮かんだのは─────『殺される』
ガタガタと震える足を必死に動かして、箱から逃げた。
ただの箱故にそこから追ってくることは無かったが、体に絡みついた恐怖が消えることも無い。
家に着いたら即鍵を閉め、ドアについているU字チェーンを即座につける。
意味がないかもしれないと思っていても、何かせずにはいられなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます