第二話 『苦情』
引越しの片付けが終わり、住み始めて数日。
結果から言おう。近所の人が妙だ。
気味の悪い叫び声が聞こえるから、今すぐ止めてくれと言われたり、甲高い、苦しむような声が聞こえるから、何か犯罪でも犯していないかと勘繰られたり。
苦情を言ってきた人曰く、平日の昼間に、不定期で聞こえてくるという。
いまいち心当たりがない上に、近所の人はなかなかいい歳をした方々というのもあって、ただの幻聴、聞き間違いではないかと思っていたが、その苦情は約一ヶ月も続いた。
原因は不明。
何故なら、その声が聞こえるという時間帯は学校にいて、家で起きていることは全くわからないのだ。
しかし、流石に変だ、気味が悪い、お祓いでもしてもらおうなどと思う頃には、ピタリと苦情はなくなり、近所の人がどう思っているのかわからないが、自分自身はそこまで深く考えることはなく、妙な苦情騒動は幕を閉じた。
これはちょっとした余談だが、この日以来、近所の人に会っていない気がする。
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