10回目の死亡

ピピピッ!!ピピピッ!!ピピピッ!!


AM5:00


バシン!!


「うるさい…」


 僕は時計の日付を見た。

 また同じ日…

 今日もまた、僕は殺されるのか?


 嫌だ…いやだ…

 いつになったら終わるの? 

 もう死にたくない…


 誰か助けて…


 助けてよ…

  助けてよ…

   助けてよ…

    助けてよ…

 助けてよ…

  助けてよ…

   助けてよ…

    助けてよ…

 助けてよ…

  助けてよ…

   助けてよ…

    助けてよ…

     ……………。


 僕は結局布団から出ることができなかった…


AM7:00


ドンドンドン

ドンドンドン


「優紀!!いつまで寝てるの?!学校に遅れるわよ!!」


ドンドンドン

ドンドンドン


「優紀!!」


ガチャ!!


 母親が無理やり部屋に入ってきて布団をはがした。


「まったく…いつまで寝てるの!!正人君が迎えに来たわよ!!」

「ごめん母さん。今日は体調が悪いみたい…学校は休むよ…」


 僕は母さんにウソをついた。


「大丈夫?熱は無い?どこかおかしなところとかあるの?」

「熱はないと思うよ。体がだるい感じがするよ。たぶん一日様子見れば大丈夫だと思う。もし明日も調子が悪かったら病院釣れていってもらってもいい?」

「わかったわ。無理をしちゃだめよ?あと、おかゆ作っておくから、あとで食べなさいね?正人君には先に行ってもらうけどいいわよね?」

「うん。正人にも謝っておいて。」


 そう言って正人には先に行ってもらった。

 またいつも通りだ…



AM7:30


 僕は怖くて布団から出られなかった。

 また殺される。

 そう思うと動けなかった。

 金縛りにでもあったかのように、ただ布団の中で震えていた。



AM7:56


ピンポーン


 家のチャイムが鳴った。

 家族は誰もいない…


 この後僕は殺される…


AM7:57


ピンポーン


 家のチャイムが鳴った。


ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン。


 何度もチャイムが鳴らされた。

 僕は部屋の布団にくるまって怯えていた。



AM7:59


ガチャガチャ…

ガシャーーーーーーン!!


 窓ガラスが割れる音とともに、僕の上に何かが覆いかぶさった。



AM8:00


ドスン…

グサッ!!


 くそ!!なんでだよ!!


ドスンドスン

グサッ!!グサッ!!


 痛みが何度も襲ってくる。


ドスンドスンドスン…グリグリ…


 執拗に何度も何度も何度も何度も…


 繰り返される痛みに意識が遠のいていく。

 最後に聞いた声は怒りに満ち溢れていた。


 僕は暗い布団の中で息絶えた。

 

 また殺された。

 どんな行動をしようと、僕は殺されるらしい。

 もう嫌だ…


 僕が覚えているのはここまでだ。

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