第10話 一番の幸せ

私達の関係はすぐに戻り―――――



「はああああっ!?お前、馬鹿じゃねーの?」

「馬鹿って言った人が馬鹿なんです!私は天才だから」



ベシッ

おデコを軽く叩かれた。



「痛っ!馬鹿になるじゃん!」

「お前は元々、馬鹿だろう?」

「本当、失礼な奴」

「うるせーなっ!」



私達が騒ぐ中、


土家君と砂夜香が話をする。




「やっぱこうでなきゃ、ここのクラスは葬式だな」

「本当そうだね」

「この際、二人付き合ったら良いんじゃね?」


「やだっ!」

「断るっ!」



クラスに笑いが起こる。






〜 優月 音葉 side  〜



言い合い騒ぐ中


別々に過剰反応し


否定する返事を言うも


正直私は有が好きだ



あの日の有の言葉は


本当に心から


嬉しかった………





〜 八吹 有 side 〜



言い合い騒ぐ中


別々に過剰反応し


否定の返事をするも


俺は正直


音葉の事が好きかもしれない




あの日


辛い目に遭う中


アイツは


俺の心の傷を


知っているのもあり


本心を


見透かされたような


気がした



正直嬉しかった




だから


音葉が俺の中で


特別な存在になるまで


時間は掛からなかった





「あっ!そうだ!音葉、今年もすんの?」


「えっ?何を?」


「なあ、聞いてくんね?コイツ、7月7日……」




ボフッと、有のお腹辺りを肘鉄をする。




「…っ…!」


「有?どうした?」と、土家君。


「何か変な物でも食べたんじゃない?」


「お前、後で覚えてろよ…」



「で?7月7日がどうかした?」


再び、土家君は尋ねた。



「ううん!何でもない!気にしないで!」


「そ、そう?」


「うん」




「音葉ちゃん見て見て」



クラスの女子に呼ばれ彼女達の元に行く。




「有…大丈夫か?」

「いてぇ〜…つーかアイツマジムカつく!」

「だけど、お前らって本当、面白いよなぁ〜」


「えっ?」


「お互い本音をぶつけ合っている所が本当すげーよなぁ〜と思う。で?お前的にはどうなの?」


「何が?」


「音葉ちゃんに恋愛感情とかどれ位レベルなんだ?」

「中の…上かな?」

「そうか」

「ああ」




〜 優月 音葉 side  〜



ねえ


織姫さん 彦星さん


今年の願いは叶いますか?



私に……恋…出来ますか?



いつも言い合って


喧嘩しているけど


私は


その時間が


大好きです



アイツの隣で笑っていたい


アイツと肩を並べて歩きたい




私の願いは


たったひとつ



私の永遠の彦星が


八吹 有でありますように……






 




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