第2話 真実
〜 八吹 有 side 〜
男遊びが激しい?
男好き?
七夕飾りをしている彼女が?
まさかと思った瞬間だった。
だけど…
七夕を馬鹿にした俺をマジで怒る彼女の心理には純粋(ピュア)なような気がした
俺は後を追った。
「優月っ!」
グイッと腕を掴まれた。
「何?」
「優月が昨日していた七夕…本当の意味は何?」
「本当の意味?別に…八吹君が言ってるような内容だけど?七夕に本当の意味も何もないから!つーか…恥ずかしいから言わせないでよ!」
「じゃあ彼氏が欲しいとか?…男好きとか男遊び激しいのなら一生かけても彼氏なんて無理な話だよな」
「そんなの…」
「でもっ!他の意味があるなら話は別じゃねーの?」
「他の意味なんて何もないし!」
「あるだろ!男遊び激しいとか男好きとか…それが事実じゃなくて別の理由なら…」
「………………」
私は下にうつ向く。
「優月…本当は…純粋に彼氏が欲しいだけで…過去に何かあったんじゃねぇの?」
「………………」
「お前…可愛い系だし…なぁ…優月…」
スッと両頬を優しく包み込むように触れる八吹君。
「…私は…嫌い…」
「えっ?」
「男なんて嫌いなのっ!」
顔をあげると背を向けた。
「好きな人に呼び出されたかと思ったら…数人の男子生徒に押さえ付けられて…」
「えっ…!?」
「私は男好きとか男遊び激しいとか…そんな嘘の噂流されて恐い思いしたの!その噂がなくならない限り変わらないんだから!」
私は走り去るが、すぐにグイッと腕を掴まれ引き止められた。
「な、何っ!?離し…」
フワリと背後から抱きしめられた。
ドキーッ
「ちょ、ちょっと!」
「ありもしない噂流されて大変だったな…それで…ヤッちゃったの?」
「えっ?」
「いや…ヤられたの間違い…」
バッと抱きしめられた体を引き剥がすように離すとバックを振り回す。
「…っと…」
交わされた。
「変な事言わないでっ!私はまだ女の子ですっ!」
そう言うと足早に歩き始める。
「じゃあ、チューはチュー」
「してないっ!何もしてないっ!あっ…」
勢いで答えたばかりに恥ずかしさに一気に顔が熱くなり足を止めた。
「何もかも初?あー、だから、それを含めた七夕する訳だ。そりゃそうだよなぁ〜」
「いけない?ピュアなだけですっ!悪かったなっ!」
「言うね〜。神様、お願いっ!私のお願い聞いて〜みたいな。織姫様、彦星様。七夕の願い事を叶えて〜みたいな感じ?で?その願い事、毎年恒例で、まだ叶ってない感じ?」
《コイツ…明らかに馬鹿にしてからかってる》
《心の底から私の事を弄ってんだ!》
《マジムカつく!》
「もうっ!うるさいっ!マジムカつく!話さなきゃ良かった!最悪っ!」
私は帰り始める。
「待てよ!」
私はそのまま帰る。
「なあっ!待てって!」
グイッと引き止める。
「サンキュー…話してくれて」
振り返る私。
「確かに優月、可愛い系だし、そういう過去があった事、俺、何も知らなかったし、優月の口から真実聞けて良かった。もし、聞いてなかったら優月の事、そういう目で見てたと思う」
「…八吹君…」
「俺もさ色々あったから正直、女って信用出来ねーって思ってて…ちょっと…親近感?つーの?…優月の心の中の事が聞けて…少し安心したっつーか…優月となら…少しずつゆっくり仲良く出来ればと思う」
「…うん…」
「…まず…異性の友達として…」
私達の関係は、異性に対する信用生を取り戻す為、友達として仲良くする事になる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます