第18話 適正結果報告
ロンデル様からとっておきを頂いた私たちに、ロンデル様が適性を教えてくれると言うので、二人してロンデル様の前にちょこんと姿勢を正して座る。
それを見た、精霊王様方もちょこんと同じ姿勢で座る。
先生に叱られる生徒が、並んで座っているようで少し面白かった。
「なんぞ、つついて後ろに転がしたくなるのう。」
ロンデル様は楽しそうに、ニヤリと笑ったように見える。
ロンデル様の爪でつつかれたら、私たちは死んでしまいます・・・
「さて、アナからじゃな。」
ピンッと背中が伸びる。試験結果を待つようで、ドキドキする。
「適性は、風魔法強、水・土が中、火は無いのう。あとは、敵勢弱化の補助魔法に中程度の適性。武器は腕輪、属性:風。耐性は、風と水に強・土と火に弱。身体能力は普通じゃな。身軽さだけは、特筆してもよいかのう。魔力値は、中々の魔力の持ち主じゃ。精霊と龍の傍におるでじゃろうが、魔力の伸びが良い体質の様じゃな。」
風属性が強いのは知っていたけど、耐性や体質までわかるとは・・・協会の鑑定石より高性能。恐るべし、ロンデル様。
「ってことはぁ、もう魔法を使っても体的には大丈夫そう?体力の無さから、その魔力を使えなったのよね。この子、不安定で暴走すると思ってぇ。」
シルビア様が私の体力の無さを、可愛らしく露呈してくれた。
「まぁ、まだまだ魔力に伸びしろがあるからのぅ。体力強化は必須になるかのぅ。」
やっぱり走り込みからは、逃げられないらしい。
「私は、どうでしょうか?ロンデル様。」
待ちきれないエレンは、ワクワクと言葉を待っていた。
「ふむ、エレンは完全なる剣士系統じゃな。身軽さ素早さ体力腕力、どれも一級品じゃな。ただ、魔力は少ないのぅ。残念じゃが、小さな火を放つ程度が限界の様じゃ。生活魔法は、普通に使えるじゃろうが攻撃には使用できんの。元々の器が小さいようじゃし、無理はさせれんのぅ。耐性は、どれも弱に留まるが全属性持っておるの。珍しいことじゃ。誇ってよいぞ。武器は剣、属性は火。体力も伸びしろはまだある、腕力もまだ上がるじゃろうから、目指すなら攻撃しつつ皆の盾にもなる騎士職がよかろうな。才能は十分じゃ。それとな、剣以外も使える様じゃぞ。槍にも適性があるのぅ。剣が使えぬ時の保険として訓練しておくと良いじゃろう。」
エレンは、ロンデル様から言われたことをふむふむと自分の中に書き留めている様だった。
エレンは、中々脳筋な適性の様だ。なんとも正反対の二人だなと、エレンを見ていると、くるっとこちらを向いた。
「アナ、私が貴女を守るから、私のことも助けてね。一緒に頑張ろうね。」
純粋な思いを面と向かって真剣に伝えてくれるエレンに、うん!と頷くと、二人で手を取り合って頑張ることを誓い合った。
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ロンデル様の話は、案外長かったようで私の腹時計が少しずつ音を大きくして訴えだした。
ロンデル様がこのままここで昼食にしようと提案してくれて、外で頂くことになった。
今日は、調理精霊さんの腕慣らしとの事で、卵と野菜のサンドイッチとフルーツサンド、チーズのクロックムッシュ、柑橘系のジュースと、昼食には十分な楽しい彩りの食事だった。これで腕慣らしかと思うほどに、美味しくてお腹がパンパンになってしまった。
部屋が完成したと、食後の紅茶を飲んでいるときに教えてもらったので、見に行く事にして案内してもらった。
お昼を頂いた湖からさほど離れておらず、階段を上がっていくつかの部屋が並び、扉には、綺麗な装飾の札に名前が書かれていた。
部屋に入ると、窓が湖に面して寝台が窓の下に配置されていた。綺麗な夜空を見ながら眠れるのかな。楽しみだ。
部屋を一度出て、食堂・風呂場・訓練場を見せてもらう。
食堂は、玄関から大広間を正面に見て向かって右手に。左手には、会議室として朝入った会議室のような場所。
二階に、私たちの部屋がといくつかが並び、三階に風呂場が大きく構えていた。
浴槽は、10人が一緒に入っても余裕があるほど大きかった。
それぞれ部屋に戻り、服を片づけたり、置物を置いてみたりと細々していると、マルタさんが他の精霊さんを三人従えて訪ねてきた。
三人の精霊さんは、それぞれに大きめの箱を抱えていた。
「試着をお願いできますか?大きさや、可動域を確認したいの。」
「わかりました。どうぞ、お入りください。」
扉を大きく開けて、入りやすい様にお招きした。
「マルタさんが作ってくださっているのですか?全部?」
荷物を床において広げているマルタさんに聞いてみる。
「えぇ、私と他にも縫物が好きで得意な何人かとね。楽しかったわ、貴女達に似合うように、動きやすい様に、人族の服を参考にして作ったのよ。」
楽しそうに、鼻歌でも歌いだしそうに教えてくれた。
楽しんで作ってくれているなら嬉しい。
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